賞与を上げれば、営業現場は今以上にがんばってくれるのか?
時節柄、指導先に訪問すると、営業強化に関連して賞与のご相談をうける事が多くなっています。
全員営業をきちんとやれば、営業力そのものは確実にアップするので、その結果として、各個人に向けて、評価あるいは賞与をどうするかということになるからです。
本日は、11月末という時期も考慮し、営業強化と評価や賞与との関係性、についてお伝えします。
「辻先生、今年はお陰様で、赤字から黒字に転換できました」
「そこで、賞与を予定金額より大幅に上げれば、営業は来年もっとがんばってくれるでしょうか?」
特に、会社が100人規模までなら、社長にも、個人の顔と働きとがはっきり視えるので、こういう話がでてくることがあります。
私の返答は、
「社員を厚く遇したいという社長の想いは素晴らしいです。しかし、賞与の金額を上げれば、社員の業績が上がるかは、まったく別の話です」
ここで重要なことは、私情ではなく、経営を軸に考えるということです。
賞与を上げる(または下げる)のであれば、その根拠を明確に言葉や文章で説明できることが重要です。
冒頭の話を、自分の子供さんの成績に置き換えてみてください。
「次のテストで10点アップを期待して、小遣いを1万円上げるから、必ず10点上げろよ」
子供さんはこう答えるでしょう
「お父さん、点数アップと今より勉強するかの保証はできないけど、ヤル気だけは出たよ。小遣い1万円上げるの約束だよ!」
営業現場のがんばりを期待して先に賞与をあげるというのは、これと全く同じことです。
また、賞与規定に準じるものがきちんとある会社ならば、賞与算定の期間が既に定まっているはずです。ゆえに、期間内のことは期間内で処理する方が、法的にも適正なやり方といえます。
(その賞与規定の内容に問題ある場合もありますが、今回その話は横に置いときます…)
営業部門や営業マンの意欲を高め、今後の売上アップを継続させたいのであれば、賞与の金額をいじる小手先の技ではなく、骨太な別の方策をとるべきです。
業績が右肩上がりの状態を今後も継続させたいと本気で考える経営者は、1年程度の売上アップでは、まだまだ気を抜きません。
全員営業を更に発展させようとするだけでなく、第2段階として、たとえば組織や育成など営業周辺の強化にも手をつけていきます。
その結果、3~5年継続して業績が右肩上がりし、10億の会社が30億、50億の会社が100億…と、会社そのものが違う次元へ到達することへつながっていくのです。
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