求める人材を言語化する方法
店舗ビジネスに限らず、人材戦略は多くの企業にとって欠かせないものだといえます。まさかこのコラムを読んでいただいている経営者、幹部の中に、その辺にいる人材を何も考えずに適当に採用して、その場しのぎの行き当たりばったりで育成して、思い付きの鶴の一声で昇進昇格をさせる…というようなやり方をされている人はいないと思います(いませんよね?)。
人材戦略とは、採用、育成、キャリアコースを体系的かつ有機的にまとめ、会社経営に際しての「人」にフォーカスした戦略です。人材が生き生きと働き、その能力を開花させ、会社の成長を促す重要な要素となります。ここが欠けていると間違いなく組織としては成長せず、どこかで破綻してしまいます。
人材戦略は当然のことながら、「経営理念」をベースにつくられます。そもそも大前提として、「人材」をはじめ、「営業」、「財務」などいずれの戦略にも経営理念がその軸になければならず、もし理念がないままつくっても、まさに仏作って魂入れずの状態となります。根幹の価値観がないことで、戦略を作っていない時よりも弊害が発生する可能性が高くなるのです。
というわけでここからは経営理念がある前提で話を進めていきます。
人材戦略では、まず自社がどういう人材を欲しているのか、ここを言語化する必要があります。当コラムでも何回もお伝えしていることですが、「求める人材の言語化」は非常に重要な経営者の仕事となります。
「求める人材の言語化」は“必ず”経営者がおこなうべきことです。どんな小さなお店でも、世界をまたにかける大企業でも、経営は「人」ありきです。「人」がすべてだといっても過言ではありません。その「人」の基準たる「求める人材の言語化」を人任せにすることは経営を放棄しているのと同義です。経営者の資格がないといってもいいでしょう。ですから、「求める人材の言語化」は必ず自身でおこなうようにしてください。
さて、「求める人材の言語化」を実際にやっていく中で、まず言葉にしていくのが難しいということも経営者の方からよく聞かれます。
そこで私がアドバイスしているのは、まず「求める人材の履歴書を書いてみましょう」ということです。基本的に履歴書は個人の必要最低限の情報がまとまっているフォーマットです。そこをたたき台にして、自身が持つ価値観を加えていくのです。いきなり理念の大上段から入ってしまうと、崇高な人物になりすぎることもあります。より具体的な、年齢や住所から入ることで現実的な「求める人材の言語化」が可能となります。
経営者の皆さん、ぜひ履歴書を活用した「求める人材の言語化」にチャレンジしてみてください。必ず新たな発見があります。
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