後継社長の成功への分かれ目
当社は同族会社専門の財務コンサルティング機関ですので、必然的に2代目社長さんや3代目社長さんなどの後継社長さんからのご相談が多くなります。
社長であれば「絶対に会社を潰したくない」「先代から引き継いだ会社を次世代に承継したい」と考えますし、そうでなければ社長業は務まりません。だからこそ、日々真剣に社長業と向き合い、さらなる成長発展を目指しているはずです。
「時代の変化や経済環境の逆風に負けない強い会社づくりがしたい…」
「地域ナンバーワン、業界トップ企業の座を勝ち取りたい…」
「金融機関に頼らず、事業を自由自在に操れる状態を手に入れたい…」
「全社員が夢や希望を持ち、誇りを持って働けるような会社にしたい…」
「会社経営にまつわる漠然としたお金の不安を払拭したい…」
「永続的に地域社会へ貢献できるような強い会社づくりがしたい…」
しかし、大前提として、自社が「潰れない会社」であることが不可欠です。永続的な成功繁栄・成長発展を本気で願うのであれば、社長は「どうしたら潰れない会社になるのか?」を、最初に考えなければなりません。そして、潰れない会社づくりをするための具体的な実務が「財務」なのです。
ところが多くの社長、そして悩ましいことに一般的な税理士も知らず知らずのうちに「ある勘違い」の落とし穴にはまっているのが現実です。
それは「売上が増えれば、潰れない会社になるはずだ」という誤った認識です。売上を追い求めることだけに注力している会社は「無理な売上拡大」や「過剰な投資」、「場当たり的な資金調達」や「間違った節税対策」を、幾度となく繰り返してしまう傾向にあるのです。
そのような会社の財務体質は脆く、ほんの少しの衝撃であっという間に崩れてしまいます。そのため、社長自身は日々お金のことで腐心し、社員や家族さえもが、常に漠然とした不安を抱えて過ごすことを余儀なくされてしまうのです。
社長自身が会社のお金のことに向き合っていれば、復活するチャンスはあります。その一方、社長が「自分自身が会社を苦境に追い込んでしまっている張本人である」という事実に気付くことができないこともあり、いつまで経っても売上だけを追い求めることになります。結果、資金ショートを起こして会社を潰してしまうのです。社員もその家族も路頭に迷うことになり、気づいた時には何もかも全て失ってしまっているのです。
会社を潰す社長の多くは「売上が増えれば、潰れない会社になる」と考えます。
売上を創るという行為は、事業を行う上で大切なことです。しかし、社長が絶対に知っておかなければならないことは「売上が増える」イコール「潰れない会社になる」というわけではない…という歴然たる事実です。経営が苦しいと感じている社長の多くは「財務」を日々の経営の結果であると考えます。しかし、日々の経営の結果が「財務」ではありません。
社長自らが意図して創り上げていくものが「財務」なのです。
あくまでも財務が岩盤だからこそ、事業を自由自在に操れるから、結果として「潰れない会社になる」のです。「財務を知らない人間は社長になってはいけない」のです。それぐらいに財務というものは、会社経営の根幹を支える最も重要な社長の実務なのです。
永く強く勝ち残る会社の社長は、財務中心の会社づくりこそが事業永続のためのキーポイントであると考え、社長自らが意図して強化し続けているのです。成功している社長ほど、5年後、10年後の永続的成功繁栄・成長発展のために、人知れず自らの手で自社の財務を磨き上げているものなのです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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