社員のメンタル強化のために、社長が行っている「職場の感情管理」
イキイキ働く社員が育ち、働きがいのある職場環境、活気ある組織風土を、アクティブメンタルと名付けておりますが、当社では、社長や社員個々人のメンタル強化についてのご相談をお受けすることも度々あります。
社長は、経営の先頭に立ち経営の舵取りをすることにより、必然的にメンタルが鍛えられることが多いものです。幾度も腹をくくらなければならない状況があり、時には厳しい判断、決断をしながらそれを乗り越えていくことでしだいに鍛えられるのです。
ですが、社員はそのような修羅場を経験することも少なく、自らのメンタルタフネスを意識していることもあまりないものです。
今、「社員の幸福を実現する」ことが会社の使命であるとして掲げる企業も多くありますが、本当に成長している企業の社長は、働く個々の社員のメンタルタフネスがいかに重要であると認知しています。
メンタルヘルスではありません。メンタルタフネスです。
なぜなら、一人ひとりのメンタルタフネスが、組織におけるメンタルタフネスに大きく影響するということを知っているからです。会社としての戦略、戦術を遂行するためには、その目的にふさわしい社風、文化がある会社は業績が伸びるということを肌感覚で知っているのです。つまり、社員がメンタルタフネスを持っていることが、会社の業績、そして社員の幸福の実現にも必要不可欠というわけです。
また、いかにして社員のメンタルタフネスを鍛えていくか、その術を知っているのです。知っているというのは語弊があるかもしれません。というのは、無意識に行っている社長もいるからです。
その術というのは、精神的な成長を目的とし、理不尽な要求や課題にも耐え忍び、ギリギリな状態に追い込むということではありません。
もちろん、現在の能力よりさらに上の課題や困難にチャレンジすることにより、試行錯誤、失敗しながら学び、経験の中から成長するということは否定しませんが、上記のような厳しい状況で精神的に成長するためには、健全な自信あり、社長を含め上司や先輩から信頼され応援されているという土壌が必要なのです。
その土壌がなく叱咤激励だけでは、メンタルは鍛えられるどころかダウンしてしまうのです。
一方で、メンタルタフネスには個人差があるのも事実です。ですが、トレーニングをして鍛えればよいのです。
特に重要なのが自らの感情を管理するということ。業務の管理、時間管理、健康管理に加えて、自らの感情の管理です。どんな状況にあっても、出来る限りポジティブな感情を持つことがとても重要なのです。
トレーニングが上手くいくためには、なぜこれをやるのか、結果どうなるのかという理解も必要であり、実践できる場や分かち合う仲間が重要になります。
一見、マイナスの出来事や、逆境、失敗と思えることであっても、それをいかに健全なポジティブ思考で捉えなおしができるか。「健全な」とあえて形容したのは意味があり、「行き過ぎた」ポジティブ思考ではないということですが、ネガティブ思考に比べ、バランスのとれた考え方、捉え方と言い直してもよいかもしれません。
また、ポジティブな感情は伝染するとも言われています。そうであれば、普段から社長を始めとするリーダーがどんな言動をしているのか、どんな言葉を選んで使っているのか。それらが全て組織全体に影響するということです。
社員一人ひとりが、「自分にはできる」、「自分のチームには出来る」というポジティブな感情を持つためには、日々、トップが自らポジティブ感情を持ち、それを日々の言動の中で発信していることがカギとなります。
今や、メンタルヘルス対策で社員がメンタルダウンにならないような施策だけをやっていれば問題ないという時代ではありません。業界の激しくスピードの速い変化にあり、競争優位に立つためには、社員のメンタルタフネス対策が必要なのです。
さて、御社ではポジティブ感情が全体で共有されていますか。社長自らその影響力を理解し、言葉を選び行動していますか。
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