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自家需要商品をギフト商品へ変換、通販売上を最大化させる具体策

SPECIAL

ギフトビジネスコンサルタント

株式会社売れるギフト通販研究所

代表取締役 

日本で唯一のギフトビジネスコンサルタント。流通、通販、ギフトの各業界通算30年以上の経験を持ち、2015年に独立。2017年には培った独自ノウハウを体系化し、ギフトビジネス専門のコンサルティング機関「売れるギフト通販研究所」を立ち上げ、多くの企業を指導。幾多の企業を成功へと導く。著書に『「ギフト商品」を通販で売る』、『儲かる「ギフト化」で飛躍する3大ポイント』がある。

先週のコラムではギフト商品開発の極意として、日常商品をギフト商品に変換すること・・・と書きましたが、今週はその第2弾と言える、さらに具体例までも入れた内容です。

商品開発も重要ではありますが、その出来上がった商品をよりギフトとして成立させるための仕組みづくりも同じくらいに大事です。

日常商品は=自家需要とも置き換えられますが、自家需要商品の販売×ギフト販売=通販売上の最大化を達成するための戦略・取組みとはどういうものなのか?最新のギフト購入の仕組みとはどういうものなのか?

まず、小売商材の通販は大きく2つに分かれます。自分用に買うものか、誰かに贈るものか。シンプルにこの2つだけです。

最近の経済産業省の家計調査では、インターネットで購入する商品のうち自家需要は96%、ギフト購入は4%という結果があります。まだまだネット通販におけるギフト購入は少ないと言えますし、逆にやり方次第で大きく伸ばせる余地が残されていると言えます。

ギフトとして販売する商品開発をする場合、様々なギフトサービスの前に誰かに贈るものというのは、あの人に贈りたい!と思ってもらえる商品やサービスになっているかどうかが全てと言っても過言ではありません。

食品のお取り寄せでよくあるのが、取り寄せて食べてみて美味しかったから今度は贈りものにも使おう・・・ということがありますが、これはお客様側が自家需要向けをギフトに変換していただけるという、大変ありがたい例です。ですが、自然発生的で事業経営としては計算できない、コントロール外なことで他者依存のものです。

色々なネット通販サイトでは、ある程度のギフトサービスも用意して「ギフトでのご利用もどうぞ!」とされているのをよく見かけます。もちろん、それだけでもギフト利用する人は1割程度はいるかと思うので、多少の売上の上積みは出来ます。

ですがギフトの売上をもっと積み上げるためには、もう一歩踏み込んで、ギフトに相応しい商品開発や「ギフト利用されやすい仕組み」があった方がギフトの売上をさらに大きく、自家需要と両輪でのシナジー効果までも生み出していくことが可能になります。要するに、提供側が自家需要商材を最初からギフト利用も考えた設計を行っておくということです。

ここからその具体策として参考にできる、iPhoneiPadMacのカバーやApple Watchのバンドなどを販売する「Casetify」の例をご紹介します。

Casetify 日本公式サイト(拠点:香港・LA・カリフォルニア)

https://www.casetify.com/ja_JP/

Casetifyは以前、インスタグラムなどの写真からスマホケースを製作できることができる世界初の企業で、有名海外セレブも利用されているそうです。今は世界中から公募で登録された外部デザイナーがデザインした製品を販売するという、これまた画期的なビジネスモデルです。

スマホケースはご存知の通り、様々な会社が製造販売しておりデザインも様々ですし、デザインの好みも千差万別です。ですので贈りものにするには、たとえ相手のスマホの機種が分かっても、好みまではなかなか計り知れないので、ギフト・プレゼントとして贈るには不向きな商材と言えるでしょう。

ですが、このCasetifyは違います。何が違うのか?それは商品そのものも含む、ギフト利用も促進する仕組みを構築しているのです。

まず第一に商品パッケージ。スマホケースを自分用に購入した場合、多くは無機質なプラケースに入っていたりします。Casetifyの商品は、下記の写真で分かるように「これなら贈っても喜ばれそう」という、シンプルで高いデザイン性や強度もある紙素材にもこだわった箱で、素晴らしいパッケージに入って届きます。

(これは実際に自分用で購入した際のパッケージ写真です)

ただ、これだけでは先ほど述べたように相手がどんなデザインを好むのかは分かりませんので簡単にはギフト利用には繋がりません。このCasetifyでは次に、ギフト利用を促進する仕組みがサイト上に用意されています。

サイトをご覧いただきますと分かりますが、新世代・次世代ギフトとも言えるソーシャルネットワークギフトを展開しているのです。

①ギフト券(現物金券)

 ・40$分・100$ 2種の金額を用意

 ・4種のカードデザインから選べる

 ・綺麗にパッケージング

 ・贈る相手の住所へ直接郵送、もしくは自分へ郵送

 ・手渡しの場合、メッセージを書くことも可能

 ・カードに記されたコードから

  カード金額分をネットで選んでできる

②デジタル

 ・40$分・100$ 2種の金額を用意

 ・カードデザインは1種類

 ・自分と相手の名前、送り先のメールアドレス、メッセージを入れる

 ・相手にメールでカードが届くードの金額

 ・カードに記されたコードから

  カード金額分をネットで選んでできる

①②とも選んだ商品がカード金額以上だった場合、差額分を支払えば購入可能

先に述べたお取り寄せの美味しかったから贈りものにも使おう・・・とある意味同じかもしれませんが、より最初から戦略的・計画的になっているということです。

大前提としてまず自分用に買っても贈りものに使っても相応しいパッケージになっている。

→商品開発時点でギフト利用を視野に入れている

デザインが多岐に渡り、贈りものとしての利用が難しいことをギフト券(現物金券)とデジタル(ソーシャルギフト)の仕組みを用意することで解決している

→贈る方も悩むのは金額だけ、贈られる方も自由に自分好みのデザインを選べる

いかがでしたでしょうか?

通販の商品は昔から今も、「不の解消」が最も重要視されます。日常生活では、小売店で買うと持ち帰るには重たいお米やお水を、amazonなどのネット通販やネットスーパーで購入されたり、人知れず購入したいダイエット食品やダイエット器具、育毛剤などのお悩み系の商品はその典型と言えます。

ギフト商品においては、商品そのものだけでなく、贈る人の気持ち、贈られた側の気持ちの「不の解消」をすることまで含めて、重要です。今回ご紹介したCasetifyのスマホケースのギフトの仕組みは、業種や商品ジャンルに関係なく、今これからの時代性からも大いに参考にできると思います。

ウチの会社は自家需要向けばかりだからと諦めていませんか?

新時代のギフト通販の取り組みにチャレンジしてみませんか?

 

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