社長が裸の王様にならないための〇〇思考

当社は、同族会社と社長の財産管理（お金が残る仕組みづくり）実務の専門機関なので、実に、様々な会社経営にまつわるお金の相談ごとが寄せられます。

就任されて数年経過されている社長さんの場合は、お悩みが具体的になっている方が多いものです。

「事業は順調なのに、なぜかお金が残らない」
　「金融機関との付きあい方で失敗したくない」
　「相続対策でモメたくない」

課題が見えているけど、どう手を打ったらいいのかわからない…というお声をよく耳にします。

一方で「これから就任する後継社長」「就任して間もない後継社長」の場合は、少し抽象的なコトバでお悩みを口にされる傾向にあります。

「経営判断の基軸がないから、決断できなくて困っている」
　「会社のお金の流れがイマイチ理解できない」
　「将来に向かっての経営判断に確信を持ちたい」

今までの経営の延長線上に答えがないことはわかっているけれど、自社が抱えている経営課題を理解できていないというジレンマや不安、苛立ちを感じられている方が多くいらっしゃいます。

「目隠し運転で高速道路を走る感覚」
　「計測器のないコックピットでフライトする気分」
　「コンパスを持たずに航海にでる感じ」

とお伝えすると「そう！そうなんだよ！」と前のめりになられます。誰にも相談できず、ずっと悩み続けていたという社長さんが多いのです。

当社は「社長専門」の財務コンサルティング機関ですので、世間一般の方々からは理解しづらい社長が抱えている社会的責任や重圧を、本当の意味で理解しております。

これらの悩みは、放っておけば置くほど、重症化していくものです。大切なことは、社長自身がその事実に気付けるかどうかということです。

抽象的なコトバでお悩みを口にされる社長の多くは、会社を潰さないために絶対不可欠な「財務思考」が身についていません。

「真剣に会社を守り抜きたい」「絶対に会社を潰さない」という覚悟のある社長にとって、絶対的に不可欠な実務なのが「財務」です。そして「財務」とは、社長と会社にお金に残すための財産管理の実務のことであり、税金計算をする専門家である税理士が担っている「税務」とは、全く異なる実務なのです。

強く永く続く会社づくりを実現している社長は、皆「財務思考」を兼ね備えています。社長が自ら意図して「財務思考」を身につければ、抱えている経営課題の本質を見抜く力が宿ります。同時に「何が問題か？」「それはどうして問題か？」「これからどうすべきなのか？」という経営判断に不可欠な情報を瞬間的に理解できるようになるのです。

ここでいう「財務思考」とは「会社と社長にお金を残す」ための考え方であり、お金を「増やす」「守る」「引き出す」思考のことです。よく「こんなに早く解決するんだったら、もっと早く相談していればよかった」というお声をお寄せいただきますが、それぐらいに「財務思考」の有無で、「見える世界」が大きく異なってくるのです。

逆に、社長に「財務思考」がなければ、プライベートを犠牲にして骨身を削って努力を重ねても、会社経営の質向上に繋がらないのであればなんの意味もありません。あくまでも社長である以上は、すべての行動が結果に繋がってしかるべきなのです。

「財務思考」が正しく身につけば、最低限の労力で、早く正確な経営判断を息をするように下すことができるようになります。漠然とした会社経営にまつわるお金の不安から解放されることは、社長としての自信に繋がるだけでなく、社員や家族の明るい未来を確実なものにするために不可欠なことなのです。

ダイヤモンド財務®コンサルタント
　舘野　愛