食品の通販・宅配は、まだまだ伸び続ける有望市場であるワケ
我が家にはほぼ毎週1回、ネットスーパーの配達がやってきますが、昨日の日経MJ掲載記事にこのような見出しが踊りました。
~ネットスーパー「週1以上」3% 30代頻繁利用・全く使わず8割~
我が家はまだまだ、マイノリティのようです。
この市場をほとんど利用されていない停滞市場と見るか、ここから伸びる市場かと見るかですが先日セブン&アイは、ネットスーパー事業でアスクルと物流面で組みました。
ちなみによく利用されるネットスーパーは、ネットリサーチのDIMSDRIVE の調べでは以下のようになっています。
1位 イオン 46.7%
2位 イトーヨーカードー 38.9%
3位 西友 25.0%
4位 楽天マート 12.2%
5位 ダイエー 11.2%
6位 マルエツ 7.8%
7位 東急ストア 7.6%
8位 Amazonフレッシュ 7.4%
9位 ローソンフレッシュ 6.9%
10位 紀伊国屋 5.5%
11位 イズミヤ 5.5%
12位 アピタ 5.1%
その他 9.1%
注目すべきはリアル店舗のない8位のAmazonフレッシュでしょう。サービス開始から1年半ですでに7%を超えるまでになっています。またここにはネットスーパーとしての扱いではないので出てきていませんが、事業拡大を続ける生協や、農産物Web通販のオイシックス、Yahoo/アスクルが運営するLOHACOも、ネットスーパーに近いプレーヤーと言えます。
一方で、まだまだ試行錯誤は続いており、同じリアル店舗のない楽天マートは西友と組んで事業を再構築したり、黒字転換が難しいと判断したローソンフレッシュは今年8月に事業を終了するなどもありました。
さて、日経MJの見出しの中では、週1回以上の利用は3%でしたが、年代別で見るとそうではありません。
30代 6%強
40代 4%強
50代 2%強
60代 1%強
70代 1%
30代の利用が多く、50代を超えてくると利用は少なくなっています。これは現在の状況ですので、ここから10年後20年後と進むにつれて、ネットスーパーもしくはそれに変わる、リアル店舗のないAmazonフレッシュなどのネット通販勢も入ってきて、少子高齢化や、当たり前になってきている共働き、また物流面での創意工夫が進むと、ますます利用は多くなるでしょう。
もう一つ、先月農林水産省が公表した農産物の流通に関する調査によると国内の食品販売流通額の調査ではこのような見出しがネットニュースに踊りました。
~食品EC・通販のシェアはまだ8%。1位はスーパー27%、2位はコンビニで21%~
ここでの食品EC・通販には宅配売上だけで1兆7千億円を超える生協も含まれています。楽天、Yahooなどの大手モールでも多数の食品を扱っていたり、様々な事業者がネット販売をしていたり。それでもまだ8%なのです。
ですが、当然リアル店舗が全く0になることは今のところ考えられませんし、どこまで食品EC・通販が近づいていくのか、あるいはいつか追い越すような日が来るのかは現実的に考えられます。逆に、リアル店舗がそのシェアを伸ばし、食品EC・通販がシェアを下げる・・・のは考えずらいのではないでしょうか。まだ8%という数字は、極端に言うとあと92%も食い込んでいける余地があるということです。
矢野経済研究所の食品通販市場推移の発表の数値(別表)を見ても一目瞭然です。
2013年度 3兆0,305億円
→2017年度(見込)3兆5,985億円 2013年比118.6%
→2021年度(予測)4兆0,135億円 2013年比132.4%
数年前、リアル店舗で食品の販売を手掛ける経営者からこのようなお話しを伺いました。「うちは長く地元の商店街で家族経営ながら何とか何十年やってきました。この先息子にバトンタッチしたいが今うちに、ネットを使っての商売も考えていかないといけないように思っています。園さん、その時はぜひお力を貸してくだい!」と言いながら、もう何年も経ちましたがまだ取り組まれてはおられません。
ネット通販の台頭で苦戦を強いられている、アパレルや服飾雑貨などに比べ、食品は市場シェアも示す通り消費者側にもまだまだ潜在ニーズ、潜在ウォンツはあります。
今はEC・通販に未着手の経営者の方、分からない世界で当然不安感はあるでしょう。ましてご自身のご家庭がネットスーパーや通販などを利用されておられなければ。でも、ご自分と同年代の方でも利用している人は必ず身近にいるはずです。
まずは聞いてみてください。そして自身でも利用してみてください。利用することでより時代を肌で感じ良い点・悪い点を確認でき、そこに潜む問題点、改善点はもちろん、事業参入への可能性やヒントが掴めるかもしれません。
そして、1つの商品でもいいから1個でもいいからネット通販で売ってみてください。何が通販事業には必要なのか、ギフトの場合だとどうなのかなど、よりリアルに感じ取ることが出来るはずです。
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