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顧客ニーズ、ウォンツはあてにならない

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

店舗ではあらゆるモノ、サービスを提供することで顧客の問題を解決していきます。その提供方法として基本的にはコンサル型、あるいはセルフ型といった手法を使っていくわけですが、実際には顧客の問題解決だけでは店舗の飛躍的な成長は望めません。すなわち、顧客の中にあるニーズやウォンツを満たすだけでは、ある程度まで来ると行き詰ってしまうのです。

そこで次の段階として、顧客を「教育する」ことが必要になってきます。「教育する」というと何だか大上段からの物言いに聞こえますが、そういう事ではなく、新たな価値の提供で顧客の視野を広げ、よりよい生活、日々を過ごすことができる下地をつくっていくことです。

顧客にとって今までの経験からは選択肢にも入らないようなモノ、サービスを受け入れることで、それが結果的に生活の質を上げ、自己実現へつながれば顧客は「満足」を超え「感動」を覚えます。一方で今までのように顧客の要望を聞いているだけではいずれ飽きられ、店舗からどんどん足が遠のいていきます。顧客を教育していくことが店舗、顧客の双方にとってプラスに働き、お互いを成長させるのです。

顧客を教育するというと抽象的で分かりにくいと思います。要は顧客が知らないこと、気づいていないこと、興味がなかったこと、食わず嫌いだったことなどに「気づき」を与えるきっかけをつくることです。時間をかけて店舗から少しずつでも情報を発信し、モノやサービスに対する警戒心の壁を取り払い、興味を持ち、好きになり、最終的には継続的に使ってもらえるような仕組みを作ることです。

これは顧客が現在持つ問題を解決することとはまた趣が違い、将来に視点を置いた戦略といえます。顧客が今まで考えてもいなかったようなことにじわじわと働きかけることで、さらなる顧客のロイヤリティを得ることができるのです。

たとえば飲食店では提供しているメニューのレシピや仕込み、産地の情報やこだわりの育成方法、美容室ではカット後のセットからアレンジ、カラーのケア、白髪が目立たなくなる方法、治療院ではセルフマッサージや治療前後の効果的なストレッチなどを定期的、継続的に発信し、気づきを与え、問題解決後の「こうなりたい」「これを使いたい」「これを頼んでみたい」につなげていくことです。 

定期的な情報を発信する手段としては、ブログやメルマガなどもまだまだ使えます。ニュースレターでもいいし、ハガキDMでもいいでしょう。いずれにしてもこの「顧客教育」についてはとにかく「続けること」が一番重要です。

よくあるダメなパターンは、何も反応がないことで続けるのがおっくうになり、3ヶ月程度で終わってしまうことです(1ヶ月続かない人も結構います…)。続ければ必ず結果がついてきます。これは顧客接点としても重要であり、店舗ビジネスを成功させるためには必ずやるべき施策だと私は考えます。

モノやサービスを直接的に売るのと違い、はっきりいって直接の成果としては見えにくいこともあります。しかし、顧客教育は時間をかければかけるほど、店舗ビジネスの頑丈な基盤として支えてくれるのです。

あなたの店が永く繁栄する店舗になるために、ぜひ今日から顧客教育を実践し、顧客の目指す将来像へと導いていきましょう。

 

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