“弱み”を見せられないことが、最大の弱みとなること
「仕事でのため息は、仕事でしかなくせない」と言った社長がいました。
売上げに悩んでいるときに出るため息は、売上げを上げることでしかなくせない、とは、経営者心理の的を射ていると感心しました。仕事では駆け引きや一発勝負、綱渡り的な状況など、ため息どころか、心臓をワシ掴みにされるようなことの連続かもしれません。そんなときも、経営者や独立して一人でやっている方は、やはり、人に弱みをみせることを「良し」としない人が多いでしょう。
それぞれに自分の目指す理想像があって当然なので、「社長たるもの、〇〇でなければならない」という意識も強いはずです。弱みをみせない、弱音を吐かない、それも大事なことです。一方で、張りつめたなかでどうガス抜きをしていくのか、それも重要なことです。仕事をしていると、ストレスはつきものです。周りの人を見ていても、自分自身の経験からも、このストレスは大きすぎると・・・・・・仕事はもちろん、プライベートへも影響して、良いことはないようです。
ランニングやトライアスロン、瞑想などをやっている人が周りにも多くいますが、それは趣味であり、ストレス解消となっているのは確かでしょう。このようなガスの抜きどころ、それがあるか、ないかで、身体的にもメンタル的にも大きな違いが出てきます。
それに加えて、もう一つ大事だと思うのは、「ポロっと本音や弱気なことを言える相手がいるかどうか?」。いろいろな方とお会いすると、その人が抱えているストレスというのは、不思議と何かしら伝わってくるものです。ストレスチェッカーで数字を測ったわけではありませんが、顔色や言動にどうしても行き詰まり感があるからでしょうか?どうしてもどんよりした空気は伝わってきてしまいます。
・・・というのは、先日、久しぶりに会った人が、あまりにもストレスを抱えている様子だったことからきています。
やはり、「弱みを人には見せられない」という思い強くありながら、うまくいかない現状に行き詰まりと先の見えない不安感にあふれている。そんな姿を見ていたら、「この人ならば!」と思える人には、弱みをみせればいいのではないだろうか・・・と、強く思ったのです。男だから、女だから、経営者だから、家族がいるから・・・ではなく、どこかで吐き出すことが心身共に健康でいる、精力的に仕事をしていくには、重要ではないかと強く感じました。
久しぶりに会った相手から、今の自分がどう見えるか?
この他人目線で自分を客観視することも必要なことです。
社長の「顔色が悪い」「疲れている」「悩みがありそう」といったネガティブ印象は、そのまま企業イメージ、企業リスクにつながっていくものです。個人でなく、企業として考えることも忘れてはいけません。
結局、ずっと張り詰めたままでは、決して良いパフォーマンスが長くは続けられません。どこかで“抜きどころ”を見つけること。これもトップとして必要不可欠な能力なのです。
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