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後継社長の銀行対応に必要な〇〇戦略

SPECIAL

ダイヤモンド財務コンサルタント

ユメリアコンサルティング株式会社

代表取締役 

次世代経営者専門の財務コンサルティング機関。同族会社のオーナー社長・二代目社長に対して、経営基盤を頑強なものにする、「ダイヤモンド財務」の築き方を指導。

当社は、同族会社と社長の財産管理(お金が残る仕組みづくり)実務の専門機関なので、実に、様々な会社経営にまつわるお金の相談ごとが寄せられます。中でも、会社のお金のことに密接に関連する「金融機関対応」については、ほぼ日常的にご相談を受けます。

「お金」は事業永続のキーポイントです。「売上が増えれば、潰れない会社になる」のではありません。財務が岩盤だからこそ、事業を自由自在に操れるから潰れない会社になるのです。潰れない会社づくりをしたのであれば、とにもかくにもキャッシュを手元に置いておくことを最優先に考えなければなりません。

会社も銀行側も、双方の経営環境がめまぐるしく変化していく中で良好な関係構築をしていくためには、それなりの努力が必要です。銀行の機嫌を取るとか、銀行に恩を売るなどの小手先・短期的な話ではなく、もっと本質的・長期的な話です。

会社と銀行とでも、相性の良し悪しがあります。銀行は、銀行の方針・支店の方針・担当者の力量等、様々な不確定要素の中で成り立っていますので、銀行対応は生身の生き物、常に動向を注視しながら自社の立ち位置を上手にコントロールしていく必要があるのです。

真に強く永く続く会社づくりを目指すなら、どんな時でも会社を応援してくれるメインバンクなりサブメインバンクの存在は不可欠です。新規事業に投資したい時、資金的に厳しい時に助けてくれる金融機関の有無で、会社の将来の選択肢は大きく変化します。

ところが、金融機関対応の実務を知らないが故に、

「足りなくなったら、貸してくれる銀行から借りて…」
 「複数の銀行から借りた結果、取引先が10行近くなってしまって…」
 「いざメインバンクといわれると、どこなのかわからない…」

とその場しのぎの方法で資金調達を繰り返した結果、無意味に借金を増やしたり、その返済に苦しんでいる…という社長にお目にかかることもあります。

漠然と銀行交渉に臨んだり、担当者にいわれるがままで資金調達をしているなら「今」は何とかなっても、5年後10年後の「未来」は不確実と言わざるを得ません。

大切なのは、事業存続のために財務中心の会社づくりを行い、時代の流れや現状・トレンドを敏感に感じ取りながら融資の「戦略」を常に進化させていくことです。「いかに銀行から資金を引っ張るか」「金利をどれだけ下げられるか」という表面的で小手先の戦術論に熱心な人がいますが、自社の財務を無視した悪手に終わるケースがほとんどであるという事実を社長は知っておかなくてはいけません。

真に経営を良くしたいのなら、社長は自社独自の財務「戦略」をもつべきです。財務戦略を持たず、やみくもにお金を借りれば、財務はいずれ悪化します。

矛盾するような話ですが、銀行は会社側の財務は厳しくみる一方で、会社の財務を棄損するような取引を様々なセールストークで持ち掛けてきます。社長の「銀行が言っているから大丈夫」「銀行の提案は断れない」という思考停止こそが最もキケンなことです。

安定的に金融機関から資金供給ができる会社は「会社」が「銀行」を選ぶという最もシンプルで重要な考え方を知っています。銀行のどんな動きも見逃しませんし、自社にとって好ましい状況を創り出し、維持するということに真剣に取り組んでいます。

銀行側に「当行に融資させてください」「ウチの銀行なら、御社に融資を通じて役に立てます」と感じさせなければなりませんし、社長には、銀行や担当者、支店長の力量を見定める「選定眼」が必要です。将来にわたって建設的な関係を構築できるかどうかという判断が不可欠だからです。

ダイヤモンド財務®コンサルタント
 舘野 愛

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