知的財産に関わる交渉で大事な「事前の準備」
「後藤さん、貴重なアドバイスをいただき、有難うございました。当社オリジナル製品の開発に向けて、他社との交渉も頑張ってやっていきます。」
これは、先日訪問し打ち合わせをさせていただいた会社において、営業担当の役員の方が仰った言葉です。この会社で新たに開発した製品の事業化における知的財産活用の提案を弁理士会の「知財キャラバン」という制度を使ってさせていただきました。
上述の会社では、今まで受注生産型だった事業スタイルとは別に、新技術を開発しその製造装置の生産体制構築と販売拡大に向けて、知的財産をどう使うか、顧客候補先との共同開発における契約上の留意点は何かが知的財産関係での論点でしたが、保有特許を前面に出し、不利な契約にならないよう(辛口なアドバイスも含め)させていただきました。これからが、本当の事業化へのステップを踏まれることになるかと思います。
共同開発を進めたり、その中で契約を締結するということになると、当然ながら「交渉」が必要となります。
開発における利用技術の範囲、成果の取り扱い、成果の実施、それに対する対価等、決めないことは沢山あります。その中で、自社が不利にならないような契約にどうやって持ち込むかを考え、相手と対する。
これが「交渉」ですね。
特に、知的財産が絡む交渉になると特有の専門知識と経験が必要になってきます。自社だけで交渉を行えるのは限られた大手企業だけかと思います。
中小企業では、このような交渉を行ったこともなく、どういう条件であれば不利にならないのかも経験していないでしょうから、契約書の条項を見てもピンとこない。
そのような声もよく聞きます。
ではどうすればよいのか?
「準備を怠らないこと」です。
例えば、知的財産に関する交渉の前には、
・まず自社の要求事項を整理する(具体的な金額も含め)。
そのときに、どの部分は譲歩可能で、譲歩してはいけない
(=ここで折り合えなければ決裂も辞さない)
ところはどこかも決めておく。
・その要求事項を踏まえた契約案を作成する。
・その案を相手に提示し、交渉を進める。
大まかにいえば、このような流れになるでしょう。この流れに乗れるように、事前準備を進めます。
事前準備しておけば、心の準備も(何もないよりかは)できますよね。
交渉前の準備、充分にしておきましょう。
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