後継社長が知っておかなければいけない〇〇の仕事
当社は、同族会社と社長の財産管理(お金が残る仕組みづくり)実務の専門機関なので、実に、様々な会社経営にまつわるお金の相談ごとが寄せられます。中でも特に、事業承継の場面では「顧問税理士とのかかわり方」に関するご相談をお受けすることがあります。顧問税理士はとても身近な存在。何でも気軽に相談している…という方も多いのではないでしょうか。
「顧問税理士とは上手くやっている」という社長さんもいれば、「ゼンゼン相談に乗ってくれない」「まるで税務署の手先のようだ」「何を相談しても、やめておいた方がイイとか、無理に決まっているとしか言わない」など、不満を抱えている社長さんも数多くいます。
ここで、特に気を付けなければならないことは、事業承継の場面こそ、顧問税理士を上手に活用できている社長と、顧問税理士のいいなりになっている社長とでは、相続対策に限らず、株式承継や経営権の承継など、あらゆる場面において圧倒的な差が出てきてしまうという事実です。
当社にも「顧問税理士の話を鵜呑みにしてたら、経営が苦しくなった」「間違ったアドバイスのせいで、ひどい目にあった」という社長さんが数多く訪れます。顧問税理士からしてみれば、税金の立場から、悪気なくアドバイスをしていたのだと思います。しかし、顧問税理士が「財務」を正しく理解しないまま「税金」だけ考えてアドバイスをすれば、当然ながら、財務はボロボロになって、弱体化していく…それは当たり前のことです。
顧問税理士のいいなりになってしまう社長は「税理士」の仕事の内容、つまり職域について誤解をしているのです。
「税理士は会社のお金のことは何でも知っている」「財務や経営の相談相手になってくれる存在」と誤解しているのです。
ここで社長が絶対的に知っておかなければならないことは、税理士は「既に起きたお金の流れにそって、会計処理をして税金計算をする税金の専門家」であるということです。この事実は、税理士法で明確に定められているため、税理士との顧問契約書にハッキリと明記されているはずです
大切なことなので繰り返しますが、税理士は「過去」のお金の流れをみて税金の計算をする「税金の専門家」です。会社の「未来」のお金のことを相談しても、正しい答えは返ってきません。会社の「未来」を考えるのは、社長の仕事だからです。
それに対して財務は「財産管理の実務」です。「未来」に向かって、社長と会社にお金が残る仕組みづくりをすることです。当社は「未来」に向かって、社長と会社にお金が残る仕組みづくりをする「財務の専門家」です。税金は支払うものであるのに対し、財産は残して増やすものです。視点も異なれば、着眼点も180度変わってきます。
多くの税理士は、マジメでプライドの高い人が多いです。だからこそ、相談されたら「わからない」とは口が裂けても言えません。「わからない」ことを聞かれれば、当然「今のままで大丈夫」とか「やめておいたほうがいい」「無理に決まっている」としか、答えようがないのです。
万が一、その言葉を鵜呑みにして無策のまま、ただただ時間を浪費してしまったら…。
その結果責任は、すべて「社長」が負うことになります。
会社を守り、社員や家族の生活を守れるのは、ただ一人「社長だけ」です。会社と社員・家族を守り抜くためには、自らが「どうやって、儲かって潰れない会社にしようか?」「どうやって、利益を出してお金が残る会社にしようか?」を未来に向かって、社長自身が考えていかなければならないのです。そのためには「財務」の知識が不可欠なのです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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