昔と今の「報酬」の違い
昔から仕事をする上で報酬と言えば、給料や賞与、昇給などが挙げられます。
当然、仕事をする以上、それらの金銭的な報酬が無ければ暮らしていけませんし、必要不可欠です。
しかし、以前の日本の高度成長期のように毎年のような昇給や高額な賞与の提供は難しくなってきました。
一方で、現代の新卒者に目を向けると、大企業や公務員として安定的な収入を得たいという希望者が多い一方で、給料や処遇は普通でいい、
むしろ「やりたいこと」や、
「手に職をつけられる業種」
「社会貢献度が高い仕事」
など、志望動機も多様化しております。
経営者にとってみれば、良い人材を確保したい一方で「無い袖は振れず」で、原資もないのに金銭的な報酬を上げるわけにはいきません。
そこで、これからの時代に重要になってくるのは「精神的報酬」です。
会社員として勤める以上、社会情勢やマーケット環境からも急速な金銭的な報酬が上がらない現代において、如何に、従業人の心を満たす報酬を提供するかどうかが、従業員の定着率、生産性、ロイヤリティの鍵を握ります。
そして良いことに、この「精神的な報酬」は、基本的に今居る人財で提供が可能であり、新たな投資も要りません。
社長をはじめ、従業員全員の「意識」と「心掛け」があれば、明日からでも提供できます。
その代表的な精神的報酬は以下の5つです。
➀ 褒める
➁ 感謝を伝える
③ 認められる
➃ 任される
➄ やりがいを与える
ある企業では、これらの精神的な報酬を仕組みで取り入れているところもあります。
例を挙げさせていただくと、ウェディングの企業で上場もしていないのに毎年リクルートランキングで上位にノミネートされるプランドゥシーという企業があります。
私がホテルマンだった時代ですが、クライアント先としてお付き合いがあり、年末にそこに勤めている私の尊敬する方より「ありがとうカード」が届きました。
そこには、私に対する感謝の念が綴られているのですが、聞いてみると、毎年1回、ひとり5枚、この「ありがとうカード」を送る仕組みになっており、社員同士のみならず、パートナーでも有効なので私に送ってくれたということでした。
普段、あまり感謝をしてもらっているとは思わなかったのでとても嬉しかったことを覚えています。
これは総務管轄の取り組みで全スタッフを対象にしているということです。
もうひとつは、最近ですが私がお世話になっているクライアントでスタッフ同士のコミュニケーションが課題として挙がっている組織で、みんなで話し合った結果、「ホメホメ交換日記」をはじめるということになりました。
「ホメホメ交換日記」というノートをつくり、1週間に1回、その組織の仲間全員に、「褒める」ことをノートに記入するという仕組みを作りました。
こちらは、週に1回チェックをし合い真面目に仕組み化し、社長曰く全社に広げたいと言っているくらいです。
この褒め合う文化の醸成により、つまらない人間関係の消耗ではなく、お互いを讃え合い、仲間を愛する文化を醸成し、全従業員がしあわせな気持ちでお客様に向き合ってもらう為の取り組みとなっています。
このような事は、昔であれば、普段のコミュニケーションや、アフターファイブの居酒屋の中で語られたことかもしれませんが、今や、残業を削る為に社員同士の会話も削るくらいの勢いで効率化を求めているところも少なくありません。
しかし、仕事は、あくまでも自分がしあわせになる為の手段であり、目的ではありません。
従って金銭的な報酬以外でも、仕事の中で従業員の心を満たす報酬を与えることで、従業員が仕事において「しあわせを実感」したり、やりがいや自社に対するロイヤリティにも繋がります。
特に、サービス産業は、従業員のモチベーションが業績に直結しているので、これからのマネジメントに活用する必要性は高いと感じます。
あなたの会社は従業員に「精神的な報酬」を与えられていますか?
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