「あそこの社長、どんな人?」に返す一言から見えること
「今朝も離職の連絡を受けてーーー」と、滅入った様子の経営層の方。ここ数年、人出不足、離職という話題は、経営者や経営層の方と話していると、必ず出てくる話題の一つです。業界を問わず、この課題を抱える企業は多いでしょう。
経営者の方とお話ししていると、こんな時代でありながら、既存のやり方に縛られない取組みや新たな手法を取り入れることで、中小企業の人材難を解決している様子を聞く機会もあります。良い人材、優秀な人材を採用したいのはどの企業も同じですが、それが今の時代の学生や若年層に受け入れられるものでなくてはいけない。昭和の感覚を引きずらずに常に変化をさせている企業には、人が集まりやすくなっていることを実感します。
職種や条件、働きやすさ、やりがいなど・・・・・・リクルート活動をするうえで、求職者にとって重要チェックポイントはいろいろあります。制度設計のほかにも、自分が働く会社であれば、重要視することがもう一つあります。
それは「社長がどんな人か?」
実際に、私自身も「社長がどんな人か?」と、聞かれる機会が少なくないことに気付きました。私の場合は、求職者ではなく経営者同士の場合が多いですが、「〇〇さんって、ご存知ですか?」というオフィシャルなご質問から、「○○社の社長って、知っている?」というちょっとした会話まで。噂話ではなく、実際にどんな人なのか知りたいというニーズです。仕事を通して知り合った、間接的な知り合いがいた、関連業種etc・・・・・・その場や相手によって違ってはきますが、確かに実際に会話に出てきます。
会合や懇親会など、大勢の方がいる場での想定になりますが、「あそこの社長、どんな人?」と聞かれた場合、返しの最初の一言はだいたい4~5パターンに分けられると思います。
―――「〇〇社長、いい人ですよね」
―――「真面目な方ですね」
―――「いつもパワフルですよね」
―――「おもしろいですよね~」
このほか、どれにもあてはまらないときは
―――「個性的な方ですね」、でしょうか。
「どんな人ですか?」と人前で聞かれて、常識的な人であれば、最初からネガティブなことは言いません。まず、最初に「〇〇な人」という一言。そして、もう少し突っ込んだ質問がくれば、それぞれの関係性に応じた細かい説明へ入る、話が進んでいきます。
逆に考えてみると、この一言目に「自分はなんと言われているか?」、気になりませんか?
一般的には、「いい人ですよね」という返しが多いと感じます。ここで「いい人だ」という一言が出ると、自分のなかで付き合ってもよいという安心感が同時に生まれる感覚もあります。最初からネガティブな言葉は出にくいとはいえ、中にはどうしても高評価しにくい相手もいるはずです。ここで「う~ん、何て言うかなぁ~」と口ごもるようであれば、あまり良い感情をもっていないことの表れでもあります。また、ちょっと変わっているという人には、「個性的な人」という言い方に変えていることが多いようです。
自分がいないところで、「どんな人?」かと言われて、質問をされた相手が「いい人」と答えたーーー。実際にこんなシーンに立ち会うこともなく、普通は耳に入らないことも多いですが、「いい人」と答えてもらうのは、想像以上にずっと重要なことです。
ぱっと最初に口に出る言葉は、創ったものではなくより感情に素直な言葉。ここで言われる「いい人」は、「いい人、いい人、どうでもいい人」ではありません。付き合っても大丈夫、というある意味、信頼の合言葉。極上の褒め言葉、ともいえます。
身近なやりとりを見たり、聞いたりしていると、「いい人ですよ」という返しが多く耳に入ってきますが、すべての人ではありません。「計算高い」「調子がいい」などもありました。
さて、ご自身はなんと言われているでしょうかーー?
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