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社員は評価されるように育っている

SPECIAL

人事制度コンサルタント

株式会社ENTOENTO

代表取締役 

会社を成長させる人事制度づくりで、700社以上の指導実績を誇る日本屈指のコンサルタント。日本の過去50年間の人事制度のつくり方とは異なり、経営者の評価と賃金の決め方を可視化してつくる画期的な人事制度は経営者から大きな支持を得ている。

「なぜこんな社員になってしまったのだ」と言って社員の問題を相談する経営者がいます。それはその社員特有の問題と考えての相談です。

ところが、社員が問題行動を取ったのは理由があります。
それはその会社にそうせざるを得ない何かが、つまり、成長の阻害要因あるのです。

その一つが歩合給です。
歩合給を取っている会社はおおむね職場の雰囲気は良くありません。

歩合給は自利の世界です。
「自分さえ良ければ良い」という考えの社員を生み出します。
そのため、その歩合給を生み出すやり方を他の社員に教えることは無いでしょう。

先日もある大手企業で、営業禁止を言い渡された40歳の男性社員が、裁判所に地位保全を求める仮処分を申し立てました。営業職から他の職種に配属されたことにより顧客フォローが出来なくなり、解約が続き、そのため今まで受け取った営業手当(歩合給)を返金することになり、収入がわずか月額数千円になってしまったからです。

契約件数が多い営業社員には契約を生み出す重要業務の優れたやり方があります。その社員の上司はそれを指導することによって、全ての営業社員が同じような成果を上げることになります。

今回のように顧客から苦情が多い理由は、営業の仕方そのものを指導することを上司が怠っていたからです。

苦情を寄せられたとしても、契約によって歩合給は生じます。継続して苦情が発生している原因は、行動を指導していなかった結果であり、この問題はまた引き続きこの会社で発生することになるでしょう。

誰しもが、この会社で優秀だと評価されたい。
歩合給のある会社であれば、たくさんの契約件数を上げたい。
営業社員はそう思っています。
万が一、お客様からクレームが生じたときは、営業活動を指導することが上司の仕事であると思い出してください。

クレームを減らすためにも、歩合給は止めなければなりません。
成果の高い社員は優秀だと評価され、いつか歩合給のない次の中堅職層へステップアップさせる指導をすることになります。これが日本式ステップアップ制度です。

なぜ当社の社員はこんな風になってしまったのかと嘆く前に、我が社の社員の成長の阻害要因があることに気がつかなければなりません。

社員は評価されるように育っているからです。


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