バイヤー目線から見える展示会で取引拡大、売上増を得るための秘訣
ギフトの世界では、国内最大の展示会「秋のギフト・ショー」が、今年は9月4日~7日に東京ビッグサイトで開催されます。
今なお伸び続けているパーソナルギフトをメインテーマに、多くの生活雑貨が出品されますが、ギフト商品として優れた商品も数多く出店されるので、私もほぼ毎年足を運んでいます。
来場者の多くは、小売企業や小売店の仕入担当者です。対して出展者は販売店、販売会社に卸販売の拡大を目論んで出展する訳ですが、3,500もの出展社がある中で、残念ながら埋もれてしまうブースも多々あります。
埋もれないために、目的達成のためにどうするべきなのか?
マーチャンダイザー(バイヤー)を長く経験して来た私が逆目線で捉えた、展示会出展で成功するための秘訣をお伝えします。
先日、ある中小食品メーカーの社長から展示会出展の悩みについて相談を受けました。
「色んな展示会に出展しているのですが、なかなか新規の取引に繋がらなくて。商品が悪いのでしょうか?」
その会社は、日本で唯一の通販食品に特化した「通販食品展示会」に出展された時にも全くダメだったそうで。
何が良くないのか。どうして取引に繋がらないのか。その展示会には私の知っている旧知のメーカーさんが多数出展しており、クライアントも出展を検討していたるするので、毎年行っていていますが、相談のメーカーさんのブースにも寄っていました。
私の感じたこと、何が良くないのかを全て率直に申し上げました。
- 通販食品専門の展示会であるのに、せっかく通販実績がある商材を出展されていなかった
- ギフト需要が高まっていると主催者側の告知にも関わらず、ギフト向け商材を出展しなかった
- 宅配、ギフト対応もしっかりできるのにブースでアピールできていなかった
- 商品を紹介するパンフレットを切らしていた
- ストーリー性のある希少性の高い商品が求められているのにその点をアピールできていなかった
- 卸価格が後日条件によって相談としており、明確でなかった。
要するに「出展に際しての準備不足」が全てでした。
この食品メーカーさんは会社の歴史・伝統もあり、製品へのこだわりが高いにも関わらず、比較的安価で宅配出荷体制やギフト対応もしっかりできる会社なのに、せっかくの良いところが全くと言っていいほどブースでアピールできていなかったのです。
シンプルなブースであろうが、自社の良さ、自社製品のこだわりをしっかりできていなければ、たとえ、お金を掛けて綺麗なデザインのブースを作っても無駄に終わります。
何よりも大事なことは、どんな企業に売ってもらいたいのかを明確にした上で出展準備をしておく。百貨店のバイヤーにアピールしたいのか、大手流通のバイヤーにアピールしたいのか、こだわった商材を大事に販売してくれる企業に売って欲しいのかなど、でも同様のことが言えますが、ターゲティングをしっかり見定めて、そこで求められるものを、どれだけ事前に予測して準備できるかが肝心です。当たり前と言えば当たり前なのですが、意外に出来ていなかったり、ある部分だけに偏っていたりするのです。
簡潔に言いますと・・・
- どんな企業に売ってももらいたのかをイメージする
- 企業の良さを伝える(ストーリーなど)
- 商品の良さを伝える(こだわりを表現したパンフ、食品であれば試食も)
- 体制の良さを伝える(出荷体制、ギフト対応など)
- 価格の良さを伝える(相手先にしっかり利益がある参考上代設定か)
せっかく高い出店料も払い、出張経費もかけて準備・接客する訳ですから、最低限これぐらいのことは押さえて展示会出展に臨むべきなのです。逆に言えばこの5つをクリアできていれば自ずと展示会での成功を産むことが出来るでしょう。
あなたの会社では出展の際、準備万全に臨まれていますか?
どんな相手に販売して欲しいのか、しっかりイメージして出展されていますか?
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