キーマンの高齢化、後継者問題への対処法とは?
「外部から招いたキーマンが高齢化してまして。次の人財が育ってなくて焦ってます」
少し前にお会いした、ある経営者の方の悩みです。
聞くと、ある大企業の開発経験者を招へいして、開発を引っ張ってきてもらった。まだまだ働いてほしいが、年齢的に厳しくなっている。しかし、代わりに開発を引っ張れるような人財は育ってない。外部の人財も探しているが、なかなか見つからない。残された時間は少なく、ひどく焦っている、というお話でした。
開発に限らず、こういったキーマンの高齢化に伴う後継者問題は、よく聞く話です。特に、人財が限られる中小企業では、頻繁に耳にします。キーマンとは、この例のように、外部から招へいした実力者であったり、あるときは、社内生え抜きの実力者だったりします。
この実力者というのがキーワードで、中小企業では、実力、能力のある人財は貴重であり、どうしてもその人に仕事が集中します。そして、実力者に頼る構造になりがちです。中には、一人の実力者に対して、社長をはじめ、みんなが頼るようになって権力が集中し、社長でさえ口を出せない、影の権力者になっていることもしばしばあります。
特に、開発となると、経験者は少なく、実力者一人に集中する傾向が、一層強くなります。
さて、こういった実力者の後継者問題、どうやって解決すれば良いでしょうか?
よく言われることですが、まず、気づかないといけないことは、「特定の人物、特定の能力者に頼って業務を回すやり方そのものを変えなければならない」ということです。そのためには、業務を回せる仕組みを作ることです。仕組みを作ったうえで、人は定期的に入れ替えていく。これをやらなければなりません。
業務内容が一定せず、絶えず変化する開発は、この仕組み化が特に難しい業務分野であり、そこは、コンサルティングの中でじっくりやっていますが、仕組み化しなければ、いつまでも実力者依存から抜け出すことはできません。
そして、もう一つ気づかなければならないとがあります。
それは、「後継者が育つのを待ってはいけない」ということです。
多くの経営者が、後継者の大切さを理解しています。そして、育成に尽力し、育つのを待っています。ところが、なかなか育たず、後継者にできない、ということが起こっています。
そこには、「十分な能力がついていないと、仕事を与えられない」という考え方があります。
本当にそうでしょうか?
大学や高校を卒業した社会人一年生は、社会人になる実力が付いたから、社会人になったのでしょうか?あるいは、世の中の親は、親になる実力が付いたから、父親や母親になったのでしょうか?
社会人になる実力が付くのを待っていたら、親になる実力が付くのを待っていたら・・・おそらく、多くの人が、社会人に成れずに、親に成れずに、タイミングを逃してしまうのではないでしょうか?
「能力というのは、与えられた仕事に対して、後からついてくる」という側面があることを忘れてはいけません。
能力が十分に備わるのを待っていると、タイミングを逃してしまいます。後継候補は伸び悩み、能力者にますます仕事と権力が集中する。そんな状況を作り上げてしまいます。
能力は、先に役割を与えて育てるもの。
実力者に一極集中した状況下では、部下はいつまでも育ちません。育つのを待つのではなく、育てるために、すぐに実力者から後継者へ、役割を移してしまいましょう。実力者にも後継者にも、先に、新しい役割を与えることです。
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