決断できる社長になるための3つの改善点とは?
当社は、同族会社と社長の財産管理(お金が残る仕組みづくり)実務の専門機関なので、実に、様々な会社経営にまつわるお金の相談ごとが寄せられます。その中でも、これから社長に就任する後継社長さんや、社長に就任して1年目の後継社長さんが数多く訪れます。
社長にとって最も重要な仕事は、会社の未来を創ることですから、当然、日々決断の連続です。
逆に何も「決められない!」ということであれば、それはご本人にとっても、それから命運をともにする社員や家族・利害関係者からしても、大変苦しく、不幸なことです。
正しい経営判断をタイムリーに下していけば、最短距離で社長が目指すゴールに近づくことができますし、逆に、いつまでもズルズルと問題を先送りしたり、あるいは間違った経営判断をしてしまった場合には、目指すゴールに近づくどころか、むしろ最悪の自体が待ち受けていることだってあるわけです。
物事を決めるためには、その判断の材料となる情報やその情報の信ぴょう性の担保が必要になってきますから、「正しい経営判断を下す」ためには、当然ながらその判断を後押しする「社長専用のモノサシ」が必要不可欠です。
この「正しい経営判断を下すための社長専用のモノサシ」があれば、時間や労力を消耗することなく、「決めること」が出来るようになります。そして、その経営判断が正しかったのかどうかを、PDCAサイクルを回すことによって確認・点検していくことができるようになるわけです。
逆に、正しい経営判断を下すための社長専用のモノサシがなければ、どうなるでしょうか?
勘・経験・度胸をベースにした二者択一での決断を、常々、迫られることになります。
よく、勘・経験・度胸の経営を『KKD経営』と表現されますが、場当たり的な対処療法を繰り返していたのでは、経営が良くなることはありません。
かの安岡正篤先生の物事を考える上での三原則にもありますが、大きな経営課題や困難な問題ほど、長期的な視野で、多面的・根本的に考察していくべきなのです。
どんなに時間をかけて一生懸命に考えたとしても、そもそもの判断の起点が、短期的な視野で、局所的・表面的なものであっては、物事の本質を掴むことはできませんし、本当の意味での結論を導き出すことはできません。
「決められない」という悩みを抱えている場合、もしかしたら性格的に優柔不断というものもあるかもしれません。
しかし、多くの場合は、それ以前の問題だったりします。具体的には、「決められない」悩みを抱えている社長の話を伺うと、そもそもの大前提としてある3つの共通点が浮上してきます。
一つ目は、そもそも判断するにあたっての情報が不足している・・・。
二つ目は、判断するにあたって参考となる情報が間違っている・・・。
三つ目は、情報を集め信ぴょう性を確認する相談相手がいない・・・。
決断するにあたっての情報が十分にあって、その情報が正しく、社長が経営判断を下すのに十分なものであれば、「わからないから決断できない」という何とも悩ましい状況を脱することができます。
経営の質向上を目指し、より強い財務体質を構築するためには、状況を正しく認識し、改善のための打ち手を日々積み重ねていくしかありません。
一見すると長い道のりのように感じられるかもしれませんが、これこそが最短距離の王道なのです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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