第104号:成熟経済を生き抜くために、知っておくべき社長の決断
「お陰様で、今期も目標達成できました。
仕組みづくりができてきて、目標達成のためのコツもわかってきました」
こう語る経営者さんは飲食店を4店舗経営していますが、以前は業態がすべてバラバラで、経営がとても複雑化しており、店長の力量に依存する経営スタイルに行き詰まりを感じておられました。
時代の変化が激しいため、経営の目的が無い会社はリスクヘッジのために業態を分散させてしまいがちです。さらに店舗は売上維持のために新商品をどんどん投入し、現場の運営も複雑化しがちです。
市場が縮小している現代においては、何をするかよりも、何をしないのか、という経営者の意思決定が重要です。リスクヘッジのために行ったことが、自社のリスクになってしまうからです。
業績を向上させている会社は経営をシンプルにしている!
今は、飲食業界の競合は飲食店だけではなく様々な業態が競合になり得ます。その中でも、コンビニの存在を無視することができません。コンビニの品質向上のスピードには目を見張るものがあります。コーヒー、デザート、レトルト食品など、様々な商品の品質を目覚ましく向上させています。以前、コンビニが挽きたてコーヒーを導入にしたことで、多くのカフェや喫茶店が影響を受けたように、その他の飲食業においても今後、大きな影響を受けることが考えられます。
このように、コンビニ限らず、業績を向上させている会社は商品やサービスの質の向上に力を注いでいます。しかし、経営が複雑化していけば、品質向上どころか、逆に品質が下がってしまうリスクが高まります。したがって、これからの時代を生き抜くためには、経営戦略がとても重要になり、経営をシンプルにしていく決断が重要になります。
経営者の決断が、複雑化に向かっていけば会社はどんどん弱体化していきます
ところが多くの経営者は絞り込みの決断をできず、目先の業態にとらわれた判断をしてしまい、組織全体の求心力を下げています。それは、中小企業に多くみられる傾向です。中小企業は経営が複雑な会社が多いです。大手になるほど経営はシンプルにしています。
今後はますます市場の多様化が進み、変化のスピードも早まってきます。そんな中で経営者の決断が、複雑化に向かっていけば会社はどんどん弱体化していきます。
あなたの会社はこの1年でどれだけ品質向上が実現できましたか?
この問いに、自信を持って向上できたといえない経営者は、今すぐ戦略の見直しすることが重要です。
画像引用:photo AC
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。