今、ほしいものは、開発するな!
「販売計画に開発が間に合わない」
少し前にお会いした、ある社長の言葉です。
営業と市場分析をしっかりやって、練りに練って販売計画を立てる。これらなるいけると自信を持って、開発に着手させる。
ところが・・・、開発に時間がかかってしまい、折角の販売機会を逃してしまう。そんなことが、二度、三度と繰り返されるうちに、開発に対して「なんとかならんのか!」と、いら立ちをつのらせている。そんな状況です。
この状況に、開発に対して「もっと速く開発しろ!」と言うのは簡単ですが、それでは、問題の解決にはなりません。こういったことが起こった時に、必ず立ち止まって確認しなければならないことがあります。
それは、そもそも、適切な開発期間を予め見込んでいたかどうか?ということです。
開発期間の短縮、これはこれで大切ですが、ゼロにはなりません。開発に着手するときには、必ず開発期間を見込んでおく必要があります。問題は、その見込んだ期間が適切であったかどうか?これを確認しなければなりません。
良くあるのは、「お客さんは、今、コレを欲しがっている。ココに不満がある。だから、大至急、開発して欲しい!」と営業から言われて、とにかく速くと着手するケースです。とにかく速くでは、計画も何もあったものではありません。どんなに急いでも、結果は、遅かった、ということになります。
なぜなら、営業から出てきたニーズは、その時点で過去のものになっているからです。
お客さんの「今」のニーズで着手したら、どんなに急いだところで、開発できた時には、「過去」のニーズになっている、ということです。
今年は雨が多い。しかも降ったりやんだりする。だから、新しい折り畳み傘を開発すれば、売れる。すぐに開発しろ!と着手させたところで、完成するころには、梅雨は明けています。まさか、こんなわかりやすい間違いはしないでしょうが、本質的には同じことが繰り返されています。そこには、繰り返してしまう理由があります。
それは、今のニーズを把握することに比べて、未来のニーズを予測することは極めて難しい、という本質的な理由です。しかも、1年後よりも2年後、2年後よりも3年後と、先になればなるほど予測が難しくなります。
それでも、未来のニーズを予測しなければなりません。そもそも開発とは、未来のニーズに応え、未来の売り上げを作るための行為だからです。
「販売計画に開発が間に合わなかった」このとき、問い直すべきことは、「その販売計画は、開発に見合う時間軸を持った計画だったのか?」ということです。
「今、コレが欲しい。すぐに開発しろ!」では、開発が後手に回るだけで、決して先手は取れません。未来を読んで取り組んでいた企業に、先を越されるだけです。
未来のニーズを予測すること。
言い換えると、先を読む力を付けること。開発を次々と成功させる企業とその経営者は、必ず、この力を持っています。
御社は、どのくらい先のニーズまで探っていますか?
1年後までしか読めていないのであれば、数か月で開発できるテーマにすること。1年から2年かかる開発ならば、3年先まで読んでおくこと。必ず、開発期間より先のニーズを読んでおきましょう。
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