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再雇用60歳の賃金見直しの方法

SPECIAL

人事制度コンサルタント

株式会社ENTOENTO

代表取締役 

会社を成長させる人事制度づくりで、700社以上の指導実績を誇る日本屈指のコンサルタント。日本の過去50年間の人事制度のつくり方とは異なり、経営者の評価と賃金の決め方を可視化してつくる画期的な人事制度は経営者から大きな支持を得ている。

6月1日に最高裁である判決が出ました。それは60歳になった正社員が再雇用で嘱託社員になり、その際の賃下げに対して提訴した裁判に対する判決です。

二審の東京高裁の判決では「定年後の再雇用において一定程度賃金を引き下げることは広く行われており、社会的にも容認されている」と、労働契約法20条に違反しないと判断する内容でした。

最高裁の判決もおおむねそれに沿った内容になりましたが、様々な対応を会社側で行った上での賃金引き下げを合理的であると判断したのであって、単純に賃金引き下げを認めたものではありませんでした。

大手企業では、60歳で定年退職することを前提に、賃金がかなり高い金額で支給されているケースが多いようです。

日本では今、年齢を理由に60歳で解雇することはできず、65歳まで継続雇用が必要になりました。

そのための大手企業で行われている賃金引き下げを中小企業が、そのまま真似をする傾向があります。

日本では少子高齢化、これから入社する新卒社員は減っていきます。そんな中で日本では60歳以降、そして65歳以降の社員の活躍は不可避となりました。

そのため現状の賃金制度において、その社員の成長と賃金(成長給)が一致する形で運用することが求められるようになりました。

60歳になってから「高い」と言う必要性もなく、現状の成長と賃金が一致しているとすれば、基本的に60歳になって賃金引き下げをする必要はなくなります。

もっとも、最高裁の判決にあったように、現役時代とは違って生活費のことを考えなくてもよくなった。ということは多少あるでしょう。

しかし、社員からすれば、同じ活躍をしていれば同じ賃金を受け取りたいという気持ちが生まれることは当然のことと言えば当然でしょう。

つまり、これからの日本では何歳であろうと、勤続年数が何年であろうと、常に社員の成長と賃金(成長給)は一致する形で支給することがとても重要になったのです。

このように運用されていれば、60歳になっても、65歳になっても、そして70歳になっても、その社員の成長とそれによっての組織貢献がますます増えているのであれば、賃金を下げる必要性はないと考えられます。

旧態依然とした今までの賃金制度から、人生100年時代の社員に対する安心できる働き方を認める賃金制度が広く日本には求められるようになったと言えます。

今すぐ、現在の賃金制度を見直ししてもらいたいと思います。そして、60歳以上の社員にも笑顔で働ける環境を提供してもらいたいと思います。

 

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