“透明のビニル傘”に見る社長の象徴とは?
人それぞれ、人と会ったときにチェックするアイテム、というものがあります。「あえて言うならば、腕時計」という声を男性からはよく聞きます。一般的によく言われる文房具や小物、靴といったものから、「そんなところ、見ているの!」と驚くものまで、こだわりどころは人それぞれです。
ここで“こだわりどころ”と言っているのは、一流ブランドだからよい、高価なものだからよい、というネームバリューや価格だけを言っているのではありません。そこはまず、カン違いしてほしくない大事なところです。
6月になり、梅雨に入ります。ジメジメして汗ばむ、さらに雨も降るという誰もが不快に感じるこの時期は、雨傘、レインシューズ、防水スプレーにいたるまで、雨にまつわるアイテムの使用頻度が高くなります。
こうした時期、私の個人的なこだわりどころとしては、その人の持つ「傘」に目がいきます。この傘が高級であるとか、ブランドものであるとかでなく、使っている傘が“コレ”かどうかがポイントです。
「持っているのが、ビニル傘かどうか」、です。
雨にぬれなければいい、と何も考えず、500円程度のビニル傘をさしている、とくに男性の方は少なくありません。ご自身でも心当たりがある人、周りにもたくさんいるという人・・・・・・結構な確率です。
ビニル傘をさしている人がすべて悪いと言っているのではないのです。誰でも思いがけないときに、急に雨が降ってきたので、急いでコンビニでビニル傘を買って使ったーーという経験はあるはずです。これはまったく問題ありません。
ですが、「透明のビニル傘」、これはある象徴のような気がしてならないのです。
何の象徴かというと、「使い捨て」の象徴。
「不要になれば、捨てればいい」、という考えの象徴。
にもかかわらず、ずっと使っている「惰性」の象徴。
一時的に必要な時だけ使えればよくて、できるだけ安くすませたいーーというのは、誰もが理解できる心理です。ですが、一時的だから安くしたはずが、それを使えるからずーと使っている、というところが、突っ込みたいポイント。ある意味、「人材」への考え方と相通じるものを感じてしまいます。
その場しのぎに買ったはずの500円のビニル傘、それをよい大人がずっーと使っている。急な雨に対応するための緊急対応で買ったはずのものなんですから、会社に緊急用に置いておくのならば、それはそれで理屈が通っています。
ですが、天気予報で降雨率80%とほぼ雨が降るとわかっているとき、「わざわざ持ち歩いているのが、ビニル傘」。こんな人をオフィス街でもよく見かけます。学生や若手社員ならまだしも、実際はきっと部下もたくさんいるであろう、もしかしたら自分で会社をやっている方かもしれない、そんな40代以上の方もいるのではないでしょうか。
今の時代、「持続可能な世界」「人と環境にやさしい」「省エネ・環境エネルギー」「明るい未来のため~」「子供たちに~」という立派な企業理念を掲げていてもーーー、いつもビニル傘を社長が持っているようでは、行動との矛盾を感じるのは、私だけでしょうか?
言行一致を見分ける、これも1つの象徴のような気がしてなりません。
傘は訪問先に行くと、必ず傘置き場があり、誰かの目に触れやすいものです。持ち手のデザイン性が高かったり、ちょっと変わった作りだったり、派手な色や見るからに高価なものでなくても、ちょっとした個性があれば、話題になりやすいアイテムでもあります。携帯性を考えて、いつも折りたたみ傘を持っている、という人は、それはそれでOK。折り畳み用の使い捨てのビニル傘はめったにありませんので。
ただ、「今日は絶対に雨が降りそうだ」というとき、最初から雨が降る前提で動くとき、傘を持って歩くのであれば、その傘はビニル傘であってほしくないーー。万が一、そのビニル傘が、透明であるはずのビニル部分が汚れていたり、傘の骨部分がさびついていたりしたらーー「・・・・・・・」。目もあいていられません!
あえて大きな声では言わないことですが、結構見られている梅雨の時期の1つのポイントです。それでも「あえてビニル傘」という方は、私とは視点の違った譲れないこだわりがきっとあることでしょう。
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