意識の低い社長と意識の高い社長の違い
経営者の会合などで、当社が「アクティブメンタル®」という組織風土づくりのコンサルティングをしているとお伝えすると、メンタルという言葉に反応され、「メンタルヘルスですか。難しいですよね。でもうちは大丈夫ですよ。」と視線をはずして、ややもすると少し自信がなさそうに話される社長にお会いすることがあります。
「いえ、メンタルヘルスのコンサルティングではないんですよ。メンタル不調者への対応をするのではなく、全ての社員がイキイキと働きがいをもって仕事に打ち込む、そして逆境や変化にメンタルに強い社員と組織をつくるコンサルティングなんです。」とお話しても、居心地が悪いのか、「そうですか、でも、うちは大丈夫です。不調者はいませんから・・」と言われ、その場を離れてしまわれました。
そういう方に対してあえて深追いすることは致しません。というのも、そのような会社に限って、メンタル不調者が出ているか、出ていなくとも多くの予備軍がいるだろうと推測されるからです。
50人以上の企業に対してストレスチェックが義務化されている今、メンタル不調者を出さない対策を行うことは当たり前のことです。そのため、不調者がいないから大丈夫と言い切ってしまうというのは、当たり前のことが出来ているから大丈夫と言っていると同じことであり、それだけ社長の意識が低いということだからです。
しかも、メンタル不調者が出た場合、それを不調者個人の問題としてのみとらえているということです。不調者が出るというのは、組織全体に何らかの課題があるということです。もちろん、個々人の性格や資質もあるので、不調の原因がすべて職場にあるとは言い切れませんが、「復職後も問題なく働いているようだから、もう大丈夫だろう」と安易に安心しきってしまい、組織の問題は棚上げしてしまうと、同じことが繰り返させるということになります。
この「同じことが繰り返される」場合、不調者本人が辛いばかりか、対応する人事総務の担当者も疲弊することがあります。ましてや、その繰り返されるだけで改善されない状況を他の社員が目の当たりにすることで、「会社は自分たち社員を大切に考えてくれてない。」という思いが強くなるので、社長が思っている以上に多くの社員に影響が出てしまうのです。
実は、当社のコンサルティングに興味、関心をお持ちになる企業、実際にご依頼してくださる企業の社長は、上記の社長同様、「メンタル不調者は今のところいないのです。」とここまでは同じなのですが、「だからこそ、今後、一切の不調者を出さない徹底予防はもちろん、今こそ、働きがいをもって仕事に熱中してもらえるような組織にしたいと考えています。」と話されます。
「そのためには、社員のモチベーションを上げるなどと社員が変わることばかりを期待しているのだけではダメだと思うのです。そもそも会社自体が、社員にとって魅力的で働きがいのある場所でなければならない。」と続きます。
社員ひとりひとりに働きがいを感じてもらうように、「会社」が「職場」が変わらなければならない。
このような高い意識をお持ちの社長の会社では、すでに社員間の交流の機会やイベントなどを行うなど、なんらかの職場のカルチャー作りを行っていることも多いものです。
そうであっても、さらにもう一段上のステージを求め、グローバル競争の激化の中で優秀な社員が定着して、組織として成長し続ける企業となるべく、中期的に会社の未来を見据えていらっしゃるのです。
メンタルヘルス対策をやっている
働き方改革も行っている
だから大丈夫ですという会社では、到底太刀打ちできないのです。
未来志向の社長は、社員がやる気を持てるよう会社風土を変えようとするのです。
さて、御社は未来志向ですか。
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