コミュニケーションの乖離を防ぐ4つの方法
日大アメフト部の危険タックルの問題が世間を騒がせています。
危険タックルをしてしまった原因は、選手と元監督・コーチとの間に「コミュニケーションの乖離」があったからだと日大側は説明をしていますが、ほとんどの人が納得をしていないはずです。
選手側の言い分が具体的であるのに対して、日大側の見解が曖昧で「そんな意味では言っていない」との理由が言い訳がましく聞こえてしまっているからでしょう。
ここまでひどくなくても、「コミュニケーションの乖離」は職場でも上司と部下の間でおこっています。
「指示をしただろう、なぜ出来ていないんだ」という、させているつもり。
「わかりましたと、言ったじゃないか」という、わからせたつもり。
「そんな意味で言ったんじゃない。もっと考えてやれ」という、忖度の期待。
いづれにしても、上司である指示者の考えが部下である受け手に伝わっていないから、「コミュニケーションの乖離」が起きてしまうのです。
こうなってしまうと、受け手は不満に感じ、これが続けば上司への不信感が募ってしまいます。
反対に、指示者はイライラして怒りの感情が爆発し、受け手を叱ったり、仕事が出来ないと思い込んだりして、お互いの関係性はズダズタに壊れてしまう可能性すらあります。
でも、これらは全部、指示を出した上位者が悪いのです。
どんなに正確に指示を出したとしても、受け手が正しく理解を出来なければ、これはコミュニケーションが成立しているとはいえません。
そのため「コミュニケーションは受け手が決める」といわれるのです。
コミュニケーションの乖離を撲滅し、正しいコミュニケーションにするためには、以下の4つの方法があります。
1.言葉の意味を共通化する
「棚を整理しておいて」という言葉1つとっても、指示者と受け手では意味が違っています。
指示者は商品を分類ごとに分けて、それぞれに整理することまでを含めて「整理」と考えていたのに、受け手は単に乱れた棚をきれいにするだけだと思っていれば、これはもうコミュニケーションの乖離です。
同じ言葉でも受け取る人によって意味の捉え方は違ってきます。
それぞれの育った環境、教育・仕事上のキャリア、人生経験などによって変わってきて当然です。
これを解決するためには、言葉の意味を社内で共通化することです。
これだけでコミュニケーションの乖離は少なくなります。
2.具体的にわかりやすく指示を出す
話が、回りくどい、話が長い、無駄な言葉や仕草が多いなど、指示が受け手にわかりにくければ、コミュニケーションは成立しません。
話をしている途中で、指示者が別の事を思い出して、当初の指示が変わってしまっては、受け手は何をどうしたらよいかわからなくなります。
「え~」「あの~」「ですね」「ちょっと」「正直」「やはり」など、話を聴いていると使う必要のない不要な言葉、曖昧な言葉が多用されていても、聞き手は非常にわかりずらくなります。
長く話をすれば相手はわかるだろうというのも大間違いです。
端的に必要な事項を伝えることこそが、わかりやすいコミュニケーションです。
話が長いのは社長に多いのです。
3.指示の確認
言葉の共通化をしても、端的に話したとしても、まだ完全ではありません。
指示を出したら、正確に指示を理解しているのかを確認をして、はじめて受け手が理解していることになります。指示を出しっぱなしではいけません。
そして、指示が正確に伝わっていることが確認できたら、指示通りに実行されているのか、その結果まで確認して、初めて確認をしたことになります。
4.耳を傾ける
指示を出して受け手がわからないことがあれば、上司である指示者が部下の疑問や質問を聞けるような耳を持つことが必要です。
指示の確認をしたときに、ちょっとしたことでも不明な点が聞けるような関係性を作っておくことが、コミュケーションの乖離を防ぎます。
「そんなこともわからんのか!」と言ったり、言葉には出さなくても表情や態度に出してしまえば、よほど度胸のある部下以外は三度同じことが続けばだれも聞いてこなくなるでしょう。
上位者は仕事が出来るから上位者である訳で、部下は上位者より仕事が出来ないからこそ部下ですから、わからなくて当たり前くらいであれば頭にくることもありません。
仕事上のコミュニケーションとは、井戸端会議と決定的に違います。
仕事コミュニケーションとは、相手に意志決定を促し、行動してもらうためのものです。
アメリカで著名な実業家であり、コンサルタントでもあるブライアン・トレーシーは言います。
「成功するには10%の専門知識と90%のコミュニケーション能力が必要」だと。
コミュニケーションが乖離していれば、業績が上がらないどころか、職場がギクシャクして、退職者が続出します。
コミュニケーションが正しく機能していれば、業績も伸び、職場も社員もイキイキしてきます。
御社・貴店でも、ご自身のコミュニケーション、社内のコミュニケーションをこの機会に確認してはいかがでしょうか?
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