なぜ、10倍利益は狙えるのに、売上2倍は難しいのか。
「10倍利益にする、は、世の中によくあることだなんて、思ってもいませんでした。
売上は1.12倍なのに、利益は10倍になっていますね。
確かに新聞の記事ですし、上場企業の公表資料だから、間違いないのだけれど、なんで私達気づかなかったのでしょうか。なにか、大手だからできることではありませんか。」
利益10倍はよくある話、です。
「経常増益率」とググってみると、すぐに100位までのランキンクが表示されます。
5月8日のランキングでは、トップ3位まで1000%以上の会社が並びます。
増益率トップの会社は、大手商社でした。
経常増益率は、1793.99% つまり約18倍、売上高を調べると、1.12倍です。
なぜ?売上がさほど増加していないのに、利益が増大したのか。
理由は、一番利益率利益額の高い売上部門に、注力して販売活動を行ったからです。
昨年度、この商社の平均粗利率は7.4%です。
個々に部門の粗利率を見ていくと、最高19.33%~1.84%まで、大きくばらついてます。
普通に考えれば、利幅の大きい商品を売った方が、利益が大きくなる。
薄利より高利の商品を販売した方が、会社に取ってお得です。
この大手商社は、最高利益率の部門の売上を、昨年の17.1%→21.7%まで伸ばしました。
すると、利益全体に対するこの部門の貢献度は、79.8%に増加しました。
つまり、儲かる製品群で、会社の売上の20%を売って、利益の80%を獲得しました。
これが、「80対20思考」です。
数字が武器にするには、次の方法をとります。
1.売上を製品群・販売方法・顧客グループのセグメントに分けて、
2.どこを叩けば利益が出るか80:20で選ぶ
利益が出る、とは社長にとっても従業員に取っても、「幸福の循環」につながるポイントを叩くハンマーが、このセグメントです。
ハンマーのたたき方が、利益の80%につながる20%を見つける事です。
販売のサイクルがうまくいっていれば、2割のお客様が8割の売上を上げてくれている。
2割の製品群が、会社全体の利益の8割を稼いでくれている。
営業マンの2割が、部門の売上の8割をたたき出してくれる。
なぜ、80対20なの?と、理解しようとしないで下さい。
ハンマーの分析をしたところで、社長の得にはなりません。
とどまって、分析をするのは学者の仕事、現実の有利を手にするのが社長の仕事です。
どっち儲かる?利益率の高い製品群だよね。
ウチの製品群、競争力あるのは、どっち?この分野は一人勝ちだからこっち。
いま、ウチから沢山購入いただいている2割のお客様を他社に取られたら、大損だ。
まずは、このお客様を特定しなければ。
オーナー社長が、何となく思っている方向を、ノグチがセグメント・マップにしていくと格段に当社が儲かっていくスポットが見えてきます。
今うまくいっている部門、製品群であれ、販売方法であれ、購入顧客層にあたります。
「ノグチ先生、確かにそうだと思うけど、なぜ、このこと誰も教えてくれないんだろう。私達が、今まで気づかなかったのは、理由があるんじゃありませんか?」
儲かっている分野を伸ばして、うまく回っていない分野には、手を掛けない。
大きな会社とて、元は小さな会社です。
「80対20思考」に気づいて、儲かる方を選択し続けるから大手になったのです。
世の中、儲かっている理由を、製品だったり、販売方法だったりで説明するけれど、なぜその製品を選択したか、販売方法を選択したか、選択の判断基準は、おおよそ公表されることはありません。
だって、経営者は皆まず自社が儲かることが大切だし、ライバル会社の社長の出来不出来を口にするような野暮はいたしません。
余計なお世話というものです。
もう一つ、理由があります。
セミナーに参加されていた中小企業診断士の先生が、ぽつりと言いました。
「だって、経営者が会計を頼んでいる先は税理士事務所でしょう。税理士さんの目的は税金の計算だから、数字を武器にする考えは、無いんですよ。」
悲しいかな、中小零細企業は、会計を税理士事務所に丸投げしています。
税理士事務所は、消費税で失敗しては事務所のメンツに関わると、消費税課税非課税は区分するのに、売上の区分が出来ません。
税理士から聞いた話です。
「ウチの担当者は、消費税の簡易課税の区分が出来ないんだよ。会計ソフトは使えるんだけどね、会社の取引の流れをよく分かってないだろう。だから、簡易課税の1種2種なんて区分が難しいのさ、簡易の方がよっぽど難しい」
日本の消費税は世界一過酷な税です。
1つの取引ごとに、課税非課税、取引の流れを反映した、業種区分を入れ、その積み上げで申告を行います。
商売の取引の流れが分からない担当者が処理した消費税の申告は、税理士もひやひやです。
つまり、小さな会社では、部門ごとや顧客の情報リストをデータとして集積する仕組みを持っていないと言うケースが多いのです。
社長の勘ピューターに頼りすぎ、のケースが多いのです。
ましてや、経理は領収書集めて会計事務所に渡すだけ、では、数字が武器になりません。
でも、ご安心下さい。
まず一週間、従業員と一緒に、来店数、担当者ごとの客数・客単価、利用頻度情報など、必要な情報を集めてみるのです。
目標は、たとえば来客数60名以上で、チーム全員に500円ポチ袋をご褒美にします。
数えてもらいたい情報を集めるゲームを考えるのです。
どこに「幸福の循環」につながるポイントがあるか、その数字を発見するゲームを従業員と一緒に開始するのです。
従業員と一緒なので、従業員はより社長との会話が弾みます、仲間になります。
少しの工夫がいります。
数字を拾って、80対20思考でジャッジする。
ですが、利益はすぐに10倍に出来ます。
他人様の情報では無い、自社の情報です。
社長の夢を語って、社員と会話する、目標のポチ袋をご用意するだけです。
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