売れるビジネスに変える「トレンド戦略」のおとし込み方
今まで売れていた商品が売れなくなってきている要因の一つに「トレンドに合っていない」ということがあります。
トレンドに合っていないことが、なんとなく分かってはいるものの、欠陥としてなかなか直すことができないのが商品サービスにおける現実です。先送してしまう理由に「時間とお金がかかるから」とか「今、じゃない」等々ですが、「どこをどう手直しすればいいのか」「実は、、、トレンドがわからない」というのが本音ではないでしょうか。
社長をはじめエクゼクティブ層の方の多くは「トレンド」に対する苦手意識をお持ちです。そして「トレンドとかブームとかがわからない、なんて社員の手前言い出すことができない」とか「自社商品が古くなっているのか、いないのかが自分には正直わかっていない」と、おっしゃるのです。
結果、建前では「うちの商品が今のお客さんに合ってるのかどうか、疑問を感じている。時代に合わせて変えてゆけば売上がよくなると思う」とお話しくださっても、実装へと一歩踏み込む具体的アクションに結びつかず、時間がたてばたつほどどんどん古くなってゆく、という悪循環になっています。
実際にわたくしのコンサルティングの中では、まず苦手意識、考え方の根底からリニューアルしていきます。その上で「知る」とか「知らない」という「情報」ととらえる低い次元ではなく、武器としての使い方をお導きしています。実際に、経営者はじめエクゼクティブ層の「こんなことになっているなんて!」という驚きの声、そしてため息、「先送りしていたら大変なことになっていた」そう呟かれ、手直しの決意をされます。コンサルティングの終盤になれば、ほぼトレンド情報を使いこなせるようになるものです。
いちばん恐いのはたくさん情報を持っていることで安心しきってしまう。トレンド情報提供型のコンテンツサービスや評論家の話を聞いただけで「わかった」と思い、自分たちでできると思い込んでしまう思考回路です。人工知能をはじめ、テクノロジーが進化してゆくにつれ、情報量と圧倒的なクオリティを、誰もが速く、安く、簡単に入手することになり、どこの会社も同じ情報を持つことになります。会社規模とは関係なく、どこも「トレンド」をよく知ることのできる時代がやってくる、のです。
実際に「トレンドについては勉強しています」とおっしゃる場合、武器として使っておられるケースは非常に少ないものです。現場にゆけば、商品サービスそのものだけでなく、商品展開、店舗運営、販売促進等々のどこかに、見逃してしまうような些細なことではありますが、何かザワッとした印象、そして違和感を直観するのです。検証すれば、根本的な考え方が間違ってしまっている、という残念なケースであったりします。
トレンドという言葉は「最新流行」という意味で使われるゆえに、「知らない」「知らないなどと言ったら恥だ」「できれば感覚のみずみずしい若手に任せたい」という拒否反応が起こりがちです。むしろ、トレンド=「傾向」という程度の軽やかさで認識してください。付き合い方は、あくまで淡々と「情報の一つ」としてつかんでおけば良いのです。
視るべきポイントは、
「どうしてたくさんの人が“好き”(または“嫌い”)と言ってるのか」
「なぜ時代に受け入れられているのか(嫌われているのか)」
さらに、
「そもそも“時代の空気感”とは何か。それが意味することは何か」
「たくさんの人に“売れる”とは、“支持される”とはどういうことか」
こんな風にご自身の頭脳でしっかりと考えることです。
評論家の考え方、トレンド雑誌の意見、ネットや書籍からの入ってきた一切の「思い込み」を捨てて、ご自身の頭の中をニュートラルな状態にし、思考できているかどうか。
さまざまな情報ツールを活用して、トレンド情報を握っているから、トレンドを勉強しているから、売れる商品にすることができるはず・・・。こんな風にお考えになる社長が多く、時間とたくさんのお金をかけておられる会社が多いものです。しかし、こうした考え方はセミナーをはじめとした情報商材の害悪であるとわたくしは考えています。手にした時、目に触れた時点で、その情報は古くなっていることに気づかなくてはなりません。
御社は、トレンド情報を入手することに一生懸命になっていませんか?トレンドを知らないことが恥ずかしいことだと思っていませんか?トレンドを勉強すれば儲かる。そんな風にどこかで思ったことがありませんか?
まずは、大いなるトレンド幻想を捨ててください。そして「武器」としての使い方を身につける時です。テクノロジー進化の大きくて高くて荒くれる波、がやって来るその前に!
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