組織改革が停滞する時に、社長が率先して行うべきこと
当社が推進しているアクティブメンタル®組織づくりだけではなく、女性活躍推進、ダイバーシティ経営、そして働き方改革など、職場改革に重要なのは、社長を含む経営陣の「情熱」と「覚悟」であると常日頃から申し上げています。
というのは、立ち上げ当初からすぐに上手くいかないことが多々あるからです。それどころか、社内の抵抗勢力による後ろ向きの力が猛威を振るうこともあるため、すぐに結果が出ない時期に「忍耐」が必要というわけです。
実はこの「忍耐」の時期をどのように過ごすのかによって、職場改革の成功が決まるといっても過言ではありません。
「上手くいかない」
「停滞している」
「成果が見えてこない」
このような時期に、強いリーダーシップを発揮して、トップダウンで改革を進めていく方法をとってはいけません。以前もこのコラムでもお伝えしておりますが、改革という名前の「変化」に戸惑うのが普通なのです。そして、これまで通りの「安定」を好むのが人間なのです。たとえ良い変化であろうと、なじむまでの時間や腹落ちするための時間が必要なのです。
それを理解しないまま、職場改革の名前ばかりが先行してしまうと、必ず中身がついていかず、一時的には成功したかのように見えることもありますが、大抵は長続きしません。
社員の方も、「しかたないからやるか」」という気持ちになってしまい、本来ならば社員にとってもメリットの多い改革ですら、十分に理解されないまま、なんとなく終わってしまうという残念な場合もあります。
職場改革が上手くいく会社の社長は、この忍耐の先に、あるべき未来の姿をきちんと描けているのです。そして、この「忍耐」の時期に、率先してあることを行うのです。
その、あることというのは何でしょうか。実はとてもシンプルなのですが、忘れがちなものでもあります。それは、社員との「対話」です。
対話というのは、相手を理解するために行う行為であり、そこには一方的な価値観の押し付けはありません。社員がどんなところに抵抗をしめしているのか、どんな不満を感じているのか、まさに社員の「感情」を理解することでマネジメントしていくということです。
その手法は、個々の会社によって様々です。社長とダイレクトに対話できるラウンドテーブルのような機会をつくる会社もあれば、中間管理職を集めてそこで自由にディスカッションする機会を設けるなど、自社にとって普段から馴染んでいる方法をとることがお勧めです。
もちろん社長の考えを再度、情熱をもって社員に伝えることも大変重要です。それは指示命令ではなく、想いを伝えるということです。職場改革をしてどんな未来像を描いているのか、それが個々の社員にどのようなメリットがあるのか、それを伝えればよいのです。
改革が上手くいかないのには理由があります。そしてその理由は、相手の「感情」を理解することで、明らかになるのです。理由が明らかになれば、次の打ち手もおのずと見つかるのです。
忍耐の時期にこそ、決して焦らず、情熱をもって社員との対話を続けてください。
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