売上を増やしても、経営が楽にならない本当の理由
当社は、同族会社と社長の財産管理(お金が残る仕組みづくり)実務の専門機関なので、実に様々な会社経営にまつわるお金の相談ごとが寄せられます。しかし、多くの社長が抱えている「悩み」は、課題解決のための表面的なものであって、大半は、社長本人が気付いていないもの、いわば、もっと根本的な部分に問題があるものなのです。
例えば、多くの社長は、「売上が増えれば、潰れない会社になるはずだ」と考えます。しかし、残念ながら、それは間違いです。
このようにお伝えすると、「ええッ?そんなハズはないでしょ!」とか「言っている意味がよくわからない!」というお声をよく耳にするのですが、ここでまず最初に知っておいて頂きたいことがあります。
それは、何かというと、そもそもの大前提として、「売上」と「倒産」とは、全くもって別次元の話である、という事実です。
売上をつくるという行為そのものは、当然ながら、とっても大切なことです。お客様がいなければ、そもそもビジネスとして成立しません。それに、事業を成長発展させていくためには、売上を増やすための経営努力も不可欠です。
しかし、だからといって、それがすなわち「売上が増えれば、潰れない会社になる」というわけではないのです。ここで多くの社長が、カンチガイをしてしまうのです。
それから、売上利益とか、もっといえば、「粗利が増えれば、潰れない会社になる…」と思われた方も同じです。確かに、利益をしっかり確実に出す仕組みを持つこと自体は、もちろん大事です。でも、それだけではダメなのです。
大切なことなので、あえて申し上げますが、「売上が増えれば、潰れない会社になる」わけではありません。答えは、むしろ「逆」なのです。具体的には、「売上が増えれば増えるほど、お金は減っていく」会社経営にまつわるお金の原理原則があるのです。
ですから、売上拡大を図っていく一方で、社長自身がこの原理原則に気付かないまま、資金繰りの管理ができていなかったり、お金を在庫や売掛金で眠らせてしまったり、「間違った節税対策」や「場当たり的な資金調達」を繰り返してしまった場合には、社長自身が気付かないうちに、経営が苦しくなっていくのです。
会社は、赤字でも潰れません。
しかし、資金が底をついたら、会社は一夜で潰れてしまいます。
大切なことは、社長自身がその事実を正しく知った上で、上手にお金を残す方法を身につけることにあるのです。そして、そのための具体策が「財務」なのです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。