あえて“黒のスーツ”を着ているのか?
「黒ばっかりーー、ですね。」
というのは、数日前、新卒採用面接に同席した方の言葉。面接に来た学生のスーツの色を聞いたときの答えです。10年近く前、企業採用担当者から、就職活動で学生が着ているスーツで一番多い色が「黒」と聞いて、そのときは、大変驚いたものですが、今は基本の色が「黒」となっているようです。
「就職活動のスーツの色」と調べると、某雑誌のアドバイスには、「無難な黒を選ぼう」「冠婚葬祭にも使えるので便利」といった言葉が並んでいます。
本来、黒のスーツは、「冠婚葬祭にも使える」のではなく、「喪に服す」色。そのため、ビジネスシーンではふさわしい色ではなく、10年前には「黒はビジネスシーンではさけるべき色」と、お話しをしていました。
(*詳しくは専門的な視点で以下にあります。ご興味があればご覧ください)
「黒のリクルートスーツに物申す!」(2012.10.31)https://ameblo.jp/primeimage/theme-10009357699.html
しかし、現在は「黒はビジネスでは着てはいけない色」とは、言えなくなっています。なぜならば、ビジネスシーンの服装ルールは、基本はありながらも時代と共に変化していくものだから、です。
トップとして、人の上に立つ立場の方であれば、ビジネスでの変化には敏感であるべきで、それはビジネスシーンでの装いの部分も知っておく必要があります。ここでは「流行を知っていてください」と言っているのではなく、「ビジネスシーンでの変化を知っておいてください」という意味です。
現在、黒のスーツは、就活中の学生や新入社員だけではなく、40代以上の企業トップや経営層でも好む人がいるのは確かです。
40代以上であれば、あえて「黒」着る、あえて「黒」を選ぶ、そんな人だけが着るべき色となります。実際にこだわりをもって着用している方も確かにいます。若年層の「みんなが着ていて無難だから」「他の色を着ると目立つから」ではなく、「自分は黒のスーツを着る」というこだわりがあるならば問題ありません。経営層ならば、一般的に落ち着いて見えるのは紺色やグレーですが、あえて黒を選ぶ勇気。それほど強い、鋭利な色なのですから。
日本ではその線引きや許容度が緩いように感じますが、欧米では黒は葬式の色、という認識がまだまだあります。もしくは、トレンド色の強いブランドを好む人が着るスーツの色、という印象もあります。グローバル展開をしている企業は、やはり海外で着用するときには、そのあたりの配慮も必要です。
こだわって「黒スーツ」を着ているのか。
もしくは、無難だと思って「黒スーツ」を着ているのか。
「黒がいいんだ」「黒はダメなんだ」ではなく、時代の流れを知ることが重要です。そこで、あえて自分はどうするか?たかがスーツの色、されど視覚要素を大きく左右するのもスーツ、なのですから。
とくに40代以上の社長には問いたい。あえて「黒のスーツ」を着ていますか?
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