「人時生産性を上げ続けるチェーンの注目すべき点とは」
「先生、人時生産性について、中途半端な情報で、取組んでいたらとても間に合わなかったです、基礎から教えていただいてありがとうございます」
目下、業務改革で生産性二ケタ改善中の社長からの一言です。
実は、こちらのチェーン、弊社のご相談にお見えになった時、人時生産性についての知識は、ほぼゼロから出発でした。
今こうして、生産性を向上し続けられる理由には、社内で開催している毎月の勉強会の中で、LSPを稼働させ、その状況を社長や幹部の皆さんが、目を離さず支援体制をとり続けてきた。という点にあります。
例えば、LSPの使い方ひとつにしても、指導に伺うたびに、こちらが指示しなくても「ここ、進化した点です」「こうやって改善してみました」「こういうやり方をやったら上手くいきました」と好事例であったり、不明な点への、活発な質問が次から次へと上がってきます。
こういった業務改善をすすめていきますと、販売力向上にも影響が出はじめます。
例えば、各売場のリーダーが設定した、重点商品も優秀成績者を会社として、その実績を称え、表彰を毎月おこなっているという点です。
その表彰には、私も同席させていただきましたが、結果というのは、目標値の200%、150%と達成といいった桁外れの売り込みに成功する人が、毎月次から次へと登場してくるのです。
何と申しますか、業務改善と販売体制を一束にして、人時生産性そのものを楽しんで、いるチェーンと言えます。
一方で、「言われたとおりにやっても結果がでない」「そもそもウチにのような企業に向いていない」「システムがわかりにくい」と不平を言ってなにも行動されない企業もあります。
前職時代も、そういう発言がまかり通っていた時代は、やはり赤字がつづいていました。その後、LSPであったり、表彰制度を設定したりと、業績を上げた者が称賛を受け、報酬を受け取れるようになる仕組みを作ったことで、徐々に業績回復するようになりました。こういった表彰制度というのは、成果を納める対象者を必ず、作り出していく仕組みを同時に用意するというのがキーポイントになります。
店舗設備があって、一定のお客様が来られる中で、個人個人が成績を上げやすい環境で、この生産性を上げるための仕組みをつくることが、企業の使命と言えます。
なんでもそうですが、こうした仕組みを作るときは「0から」と「1から」で、その成否が分かれるということです。
0を1にするのと、1を2にするのでは、差は同じですが、経営ではそれは似て非なるモノであるということです。「0から作る」とは原形のないところからとなり、「1から作る」とは、その原形の数量を多くすることにあります。
まず、大事なことは「1から作られている」現状の業務が収益効果を発揮しているかどうか?という点にあります。
「業務ごとの収益などどうやって調べるのか?」という声が聞こえてきそうですが
これを見極めることを出来るのが、人時売上となります。人時売上高は1時間あたり一人の人がいくら売れば儲かるのかがわかる指標です。
既存の「1から作った」仕組みで人時売上高があがっていないのであれば、「0から作り直す」経営判断をすることが必要になります。
そうは言っても「0から作る」場合、現存しない仕組みを作るので、収益を上げるまでには、相当の時間とコストがかかります。
無尽蔵にお金と時間のある企業なら別ですが、そういった 企業は世の中にはありません。
大手であろうが、中小であろうがそこは同じで、百歩譲ってお金は後からでも取り戻すことはできますが、一度費やした時間の針は戻すことはできません。
こういったリスクをとるために「0から考え、0から作る」のではなく「0から考え、1から作る」という応用力を用いて考えていくことが重要となります。
言い換えますと、人時売上が低い業務に着目し、そこを変えていく為に関連するいくつかの部門だけ、1から作りなおすことが 全体の生産性を上げることに直結すると言うことです。
先のチェーンのように結果が出せるチェーンは 圧倒的に0から意識が強かったものの、この人時売上を活用するまでは、利益がでない状態が続いていました。
今は、次のステージにステップアップされ、結果の出やすいチェーンとして安定成長されています。
先のチェーンのような「0から考え1から作る」手法は、時と場所を選ばす、その企業のもつ弱みを克服し、威力を発揮させることが出来ると言えます。
さあ、貴社でも機嫌よく数値を上げる「0から考え、1から作る」手法に、着手されていますでしょうか?
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