攻めの財務思考のある社長が成功する理由
次々と事業を通じた夢を実現させていき、地域や、ある特定の分野においてナンバーワンの地位を確立していく社長には、ある共通点があります。
それは、「会社の未来を創るために、積極的に投資をする」という、いわば「攻めの財務思考」を持っているという点です。経営者であれば、誰しもが事業継続のためには「投資」が必要ということは百も承知のはずです。
なぜなら、経営とは、「最小の元手で、最大の利益を稼ぐこと」に他なりませんから、まずは、投資をして、その上でリターンを最大化するという基本的な思考がなければ、経営者としてやっていけませんし、ましてや社員やその家族の生活を守ることなんて不可能に近い話です。つまり、会社の未来を創るためには、あくまでも「継続的な事業投資」が必要になってくるわけなのです。
財務思考のある社長は、失敗する確率を極限まで減らすと同時に、成功する確率を最大化するための経営の打ち手を「財務」の視点から何度も何度も考えていますから、時の経過とともに、経営の質そのものが自然と磨かれて洗練されていきます。
あくまでも、全ての意思決定を下すにあたって、「継続的な事業投資に耐えうる強い財務体質に磨き上げる」という財務思考を持っているので、日々、強い財務の会社に磨き上げられていくものなのです。
その一方で、10年、20年と社長を務められていてもなかなか経営が上手くいかないという社長にお目にかかることがあります。経営が苦しくなった要因は千差万別ですし、不運に見舞われたり、経営環境が悪化したり…というものもないわけではありません。
しかし、15年以上にわたって、さまざまな社長さんと関わらせていただきましたが、「投資をするために、売上を上げなければいけない…」「とにかく売上をあげなければいけないんだ…」という思考の檻から抜け出せない社長さんで、成功している方を、私はこれまでにみたことがありません。
誤解を恐れずに申し上げるなら、ハッキリ言ってこのような場合、そもそも売上を上げる以前の問題で、社長の「財務の無知」自体に根本的な問題があることがほとんどだからです。
しつこいようですが、「売上を増やせば、潰れない会社になる」わけではないのです。真に豊かに成長発展していきたいと願うのであれば、社長は、売上を増やすことだけを考えるのではなく、「どうやったら儲かって潰れない会社になるのか?」「どうしたら利益を出してお金が残る会社になるのか?」を根本的に考えられるようにならなければ、ならないのです。
社長が財務を知らない会社は、もし仮に売上が一時的に上がったとしても、結局、根本的な「財務」の問題は解決されることはありません。そうなれば、いつまで経っても経営は苦しいまま、いつまで経ってもお金が残らないままの状態から抜け出せないのです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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