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組織を強くする営業マンの育て方

SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー

代表取締役 

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタント。特に技術系のメーカー企業や、特殊な加工、取り扱い品、異色サービスなどを手掛けている企業の販売戦略の再設計、大きく売れるようにする仕組みづくりに定評。

「《顧客の動向を観察し続けることは、競争の優位性を維持することにつながる》先日のコラムは、まさにその通りだと思いますよ」

前回のコラムを読んだ社長さんが、ジャストタイミングで社員に対してハッパをかけ始めたテーマだ!と一献傾けた席で感想を寄せてくれました。

しかし、同時に歯がゆい状況も教えてくれました。

観察力や洞察力は、個人のセンスに依存していて、社員全員に伝えても「馬の耳に念仏では?」と、組織に定着させる限界を感じておられたのです。

確かに、センスを磨くのは、個人の力量に左右されます。

しかし、全員とは言わずとも、一人でも多くのアンテナの立った人材を育てていくには、有効なアプローチがあります。

私は仕事柄、よくクライアント企業さんの営業会議や役員会議に参加をさせてもらっています。

誰かが発表をし、何か質問がなければ、どんどん話が流れていってしまう会議の中、大別すると3通りのタイプがいることに気付かされます。

  • 鋭く質問をする人
  • 意見があっても、事なかれ主義でスルーする人
  • そもそも傍観者のようにただいるだけの人

 

このようなタイプの人たちの本質的な違いは何だろうか? とそれこそ興味本位で洞察したことがあります。

よくよく見ていると、ある共通点があることに気がつきました。

その共通点とは、「あるべき姿」や「理想的なあり方」を自分なりに持っていると言うことです。

そして、その「あるべき姿」や「理想的なあり方」と現実にギャップを感じたら、それを改善しようと働きかける人たち。

これが、会議を活性化させ、組織をより良い方向に持って行っている人たちの共通点です。

これは、営業活動やマーケティング・事業活動においても、全く同じ概念で捉えることが出来ます。

「顧客のあるべき姿」を知っていなければ、良い企画・提案・営業などの事業活動が出来るはずもありません。

「理想的なあり方」があるからこそ、現状と理想の差を埋める「商品・サービス」が存在するわけです。

観察力というと、「(現状を)見る力」だけにフォーカスされがちです。

しかし、「見る」だけでは、ただの現実、たまたまの事象、目についただけの風景でしか映りません。

 

冒頭の会議で鋭く質問ができない人は、ただ見るだけ、聞いているだけにし過ぎないからこそ、スルーしてしまうのです。

会議であれば、別に構いませんが、これが商売となったら、事業チャンスを失うことに繋がる重大ごとです。

この感覚なくして、儲かる事業を育てることはできないハズです。

実際、社内でいちばん売上を上げている営業マン。

もっとも業績に貢献している企画マン、マーケッターは、皆「顧客のあるべき姿、理想のあり方」を熟知しています。

なぜなら、彼らは、理想と現実を埋めることで商売が成り立っていることを、本能的に理解しているからです。

もし、そのような社員が不在であれば、早急に一人でも二人でも育てるべき。

トップが、想定される対象者を呼び出し、「我が社の想定顧客のあるべき姿や理想のあり方は何だろうか?」と問い続ける場を作ることで、発掘のチャンスを作り出すほかありません。

そして、可能性のあるメンバーを選りすぐって、定期的に集まってディスカションすることが出来れば、着実に会社の成長を促す人材に成長してくれるでしょう。

大切なのは、そのディスカッションのテーマになります。

  • 顧客のあるべき姿や理想の姿は、何か?
  • 想定顧客の現状は、どの程度かけ離れているのか?
  • 想定顧客は、その差に不満や不快、問題点に気がついているか?
  • 当社の商品・サービスは、現状と理想の差を埋めるために、最適な手段と顧客の目には映るのか?
  • 顧客の抱えた問題点を解消するために、適正なコストで提案できるか?

 

この5つのテーマを潜在意識に擦り込むように問い続け、議論し続ければ、必然的に観察力、洞察力は磨かれていきます。

そして、その磨かれた「視点」で事業を捉えていけば、事業の成功確度もこれまた必然的に上がっていくことは間違いありません。

冒頭の社長は、早速毎週1回の定期ミーティングを開かれるとおっしゃっていました。

言い出しっぺとして、私も参画することになりましたが、どこまで事業センス・営業センスが向上するか楽しみです。

御社でも、ぜひトライしてみませんか?

 

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