強い組織で成功する社長が知っている「社内言語」の重要性
これまで企業のコンサルティングあるいは研修などでクライエント企業様を実際に訪問し、社員の方々にお会いして話をさせていただく機会がありました。会社の雰囲気、カルチャーというのは、たとえ一回の訪問であっても、肌で感じてしまうものです。
その組織の特長、個性を最も顕著に表しているのが、社内で頻繁に語られている「社内言語」です。つまり、普段から、どのような言葉が職場で飛び交っているのかで、その会社がどんな組織なのか、なんとなく伝わってくるのです。
顧客に対してどのようなコミュニケーションを行うべきか。そのようなビジネスコミュニケーションについては、経験を積むことでブラッシュアップされていきます。また、社員研修などを通じて学ぶ機会も多くあります。つまり、営業職であれば、所謂「営業としてのペルソナ」での顧客とのコミュニケーション、言葉づかいなどは、学びや実践の機会が多くあるため進化していくのです。
一方、社内のコミュニケーションは、そのペルソナを外した、ややラフなコミュニケーションであることが多いものです。もちろん、社会人としてのペルソナはあるにしても、顧客に対する言葉遣いと異なっていても、何も不思議ではありません。
つまり、社内ではより素に近い言葉が使われているのです。例えば、勢いがあり、業績が伸びている会社に伺うと、非常の力強いポジティブな言葉が行き交っています。心理的余裕もあるからでしょうか。とてもリラックスした表情で仲間をほめたり、労う言葉も頻繁にかわされています。
逆に、ハラスメントなど問題として表出はしていないものの、とても高圧的で一方的に決めつけたコミュニケーションが飛び交っている会社もあります。研修などで社員同士のワークを行う場合などであっても、チームメンバーとどう協力できるか、積極的でないメンバーをどう扱っているか。社内で使われている言語と社員同士の関係性で、おおよそ、その組織の雰囲気が理解できてしまいます。
といっても、この段階では仮説にすぎません。実際に「アクティブメンタル組織づくりコンサルティング」を行うにあたっては最初に組織アセスメントを十分に行いますが、その仮説が大きく違ったということは、あまり多くありません。
例えば、男性社員対象の育児休暇制度を導入したとしても、実際に社内に理解され浸透させるのは時間がかかると言われています。社員一人一人の意識が変わる必要があるからです。
長時間労働を良いと容認している、育児は女性がやるべきという意識が根強い場合、制度自体は頭では理解していても、心では受け入れていない、むしろ拒否している場合もあります。そのような意識、つまり心が「言語」となって表れているわけです。
ところが、普段当たり前のように使っているのが「社内言語」であり、他社と比較するという機会もないため、何が自社の課題なのか、なかなか把握できないというのも事実です。
いくら、新しい制度を導入し、世間的には「働き方改革」や「ダイバーシティ」などに積極的に取り組んでいるように見せても、旧態依然とした「社内言語」が飛び交っている限り、真の組織改革にはなり得ません。
職場環境の変化を前向きに捉えるアクティブメンタルな組織においては、社員は、Positive(前向き)、Powerful(活力がある)、Potential(可能性がある)
Proactive(積極的な)な言葉を発します。
本気で社員の意識を変え、職場風土を変えるためには、「社内言語」を変える必要があるのです。そして、「社内言語」を変えるためには、社長自ら、普段社内で使っている言葉、トップとして発信している言葉の力を十分に自覚していなければならないのです。
社内で行き交う言葉を「当たり前」ではなく「力」に変える必要があるのです。
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