第90号:成長企業は優れた人材を育成する、衰退企業は優れた人材に依存する
スイーツショップを3店舗、経営している経営者の方から、先日、相談がありました。なかなか幹部社員が育ってないため頭を抱えています。幹部育成に力を入れ、様々な研修に派遣もしているがうまくいかず、どうしたらよいのでしょうかという相談でした。
そこで私は幹部にどのように育ってもらいたいのかと質問しました。すると、売上目標の達成、部下育成、現場管理などたくさんの答えが返ってきました。
次に、その幹部の業務は明文化されていますかと伺うと、いつも口酸っぱく話をしているが明文化はしていないということでした。
このように幹部育成に悩む経営者の多くは、見える化することを省略してしまっています。ここに大きな問題があるのです。
見える化していないというのは、教科書のない授業をやっているようなものです。
皆さん、学生時代を思い出してみてください。教科書がなかったら、どうですか?教科書もなく授業が行われていたら、教わったことはどれぐらい頭に残るでしょうか?
幹部育成を行う前に、まず先に社内の見える化を進める必要があります。
その見える化すべきことは3つです。
1番目はミッションの見える化です。
お店のミッションを明文化することで、経営のブレを防止し、スタッフ全員が商品やサービスを改善するための判断基準になります。そうすると商品サービスを常に改善し続けることが促進され、顧客が定着してくれるようになります。
2番目は目標の見える化です。
お店の目標は売上目標だけではなく、KPI目標を設定して見える化することが重要です。KPI設定とは企業の最重要目標指標であり、今の利益だけでなく将来の利益を上げていくために最も重要な目標設定のことをいいます。
3番目は組織の見える化です。
組織内においてそれぞれの役割は何なのか、その役割における責任と権限は何なのか、を明文化しておく必要があります。
仕事の役割を明文化しておかなければ、上司から言われていることだけが気になり、経営者の顔色を伺いながら仕事をするだけの幹部社員になってしまいます。
幹部育成の成果は、この3つが見える化されているかどうか、その精度はどうなのか、そこに大きく左右されるのです。
また、この3つを見える化することで経営者にとっては自身の頭の整理にもなりますし、幹部社員さんにとっては自分で考え判断するための情報になります。
幹部育成に悩む方は、3つの見える化がどこまでできているのか、再度チェックしてみてください。
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