中小企業における知財活用の前提~「聴く」
「ライセンス交渉をする上で、注意することはありますか?」
「意匠出願をしたいのですが、先願と一部が同一でも意匠登録できますか?」
「特許出願した後、販売開始するまでどのくらい期間が必要ですか?」
「パテントマップの作成について教えてください」
「製造中の製品の構造を変えたいのですが、取得した特許はそのまま使えますか?」
これらは、支援させていただいているお客様からのご質問のほんの一部です。
知的財産と一口に言っても、企業によってとらえ方、使い方は異なりますし、知的財産取得の狙いも変わります。
それぞれに対し、わかりやすい表現で説明を心掛けていますが、どこまで実践できているかは結果で示すしかないかと思っています。
知的財産を専門に仕事をしている者にとっては当たり前のことでも、今まで知的財産に関わったことがないか、あるいは1件特許を出願しただけという会社にとっては質問事項がたくさん発生することは容易に想像できます。
例えば、パテントマップの作成一つをとっても、その目的・用途が違えば違うパテントマップを作成する必要があり、その作成方法も様々です。一言で済ますことができる話ではありません。
その際、私が大事と考えていることは、お客様の話を「聴いて」、その意図と知りたいことを的確に把握することです。
以前、このブログでも話したかと思いますが「傾聴する」ことがアドバイスのスタートです。これは、コンサルタントに限らず、お客様を相手に仕事をしている業種では必須ですね。
そして、お客様ごとにきめ細かくアドバイスし、正しい方向へ誘導するお手伝いをすることが第一と考えています。
何が言いたいかというと、中小企業が知的財産の活用を考えるときにも活用の先に存在する顧客の声を「聴く」ことからスタートしないと、意味のない知的財産取得と活用をしてしまいかねないということです。
中小企業の最大の武器は「機動性の高さ」と「きめ細かい顧客対応力」にあります。
知的財産の活用の前提も、この武器を強めることにあるとすれば、必要な知的財産を取得する前に顧客の声を「聴く」べきです。
顧客の声を聴き、それを解決するためのツールとして知的財産を取得し、活用してください。
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