第89号:業績が停滞してきたときに行う経営改善の手順
飲食チェーン店さんでのお話です。
「業績が低下してきたので様々な販売促進を試みてみましたがなかなか有効な手立てがありません。現状をどのように改善したらいいのか正直わからなくなってきました」
そこで、的確な改善策について相談したいという内容です。
業績が低下してきたときに多くの会社がとる行動は販促強化です。
この時に注意しておきたいのは、目先の集客に意識を奪われ、クーポン広告に力を入れたり、その時に人気のある商品を追加したりするなど、安易な集客に走ることです。
なぜ安易な集客活動が問題なのかといえば、業績が低下しているということは既存のお客様のリピート率が落ちてきていることを意味し、その原因は、退職などにより接客力の低下が起きていたり、外部環境の変化によって顧客の足が遠のいてしまっていることにあります。
そうした時にまず取るべき対策は、既存の優良顧客との関係性を強化することです。そのためには自社の強みを明確にし、その強みをさらに磨き上げ、優良顧客の来店頻度を上げ、さらにその周辺の新規顧客を増やしていく必要があります。販売促進に走るよりも主力商品の品質向上や商品を絞込み、オペレーション効率を上げ、少ない人数でも顧客接点をしっかり持ち、接客力を強化することが大切なのです。
業績が停滞している時に行う安易な販売促進は、現場のオペレーションを複雑化させたり、クーポン客によってお店の雰囲気が悪くなり、良質な顧客を失うことにもつながりかねないリスクを阻んでいます。業績が停滞している時こそ、自社の存在意義を明確にし、自社にとっての優良顧客との関係性をより強化していくことに注力しなければいけません。新規顧客に目を向けるよりも、既存顧客との関係性をより強化することが求められるのです。
これからの時代は、常に商品サービスの品質向上を心がけていかなければいけません。
たとえば、飲食業界はコンビニの存在に大きく影響を受けていますが、そのコンビニはこの10年間にどんどん品質の向上を図っています。今や品質を向上し続けることは当たり前。商品の品質向上をしていないお店は、お客様からしてみれば変化はなくても品質が低下していると感じられてしまいかねない時代なのです。
業績低下に悩む方は新規客に走るのではなく、既存客との関係強化に向けて自社の存在意義を高めていくためにも商品サービスの品質向上に心がけてください。
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