【感性を磨く】なぜ起源に迫る必要があるのか
唐突ですが、あなたは自分の仕事の起源を辿ったことはありますか?
私はお茶の起源を辿るため、茶の木の歴史を勉強したり、もしくは自ら茶園に赴いて茶摘や製茶の体験をしたり、今では抹茶のプロデュースをするため、茶園の園主さんと肥料のやり取りはおろか、肥料の製造工程に至るまで徹底した打合せをしております。
こんにちは、茶人・小早川宗護です。私は茶道裏千家の師範として30名の直弟子を指導しつつ、茶人として多くの「茶を知らない方々」を最もハイレベルな茶会、茶事をビジネスとして展開しております。
さて、感性を磨く上に置いて最も大切なことの一つに、物事の起源を辿ると言うものがあります。
小学校の社会見学で、何らかの製造工場を訪ね、製造ラインを見学させて貰った経験をお持ちの方も少なくないはず。それにより、たとえば加工食品工場であれば、「ああ、あのようにして○○は製品化されているんだな。」と言う知識を身に付けた記憶があると思います。
物事の起源を辿っていくと、単純に教養が高まるだけでなく、食品であれば、それらの味が生まれていく行程を具体的に理解する事が出来、本来の味わいを理解するきっかけにもなります。
私はご存じ、茶人であるわけですから、突き詰めるのは「茶の哲学の真意」や「作法の極意」、そして「茶の味」と言うことになります。
例えば私の立場であれば、茶園さんに足を運び実際に茶摘や製茶を共にさせていただく事により、茶園さんや茶屋さんの製茶の苦労の一端を理解する事も出来ますし、もっと突き詰めれば、茶の味がどのようにして生まれてくるのかを理解する事が出来ます(実際に行動に移しています)。
つまり、日頃自分が飲んでいる抹茶の味を、栽培工程、いや土作りのレベルから理解しようとしているのです。
そして、そうしつつも常に茶の世界全体を俯瞰で見続けています。そうすることによって「世の中の本当に良い物の原点」を直感的に理解出来るようになる一端を身に付けているのです。
本当に良い物の原点を理解出来れば、本当に良い物とそうでないもの、つまり一流と二流の区別が簡単につくようになってくるのです。これがいわゆる一つの「感性」と言うもの。
改めてお聞きしますが、あなたは自分の仕事の起源を辿ったことはありますか?もし無いならば、今すぐにでも起源を辿り、その原理を根底から理解する事を強くお勧め致します。
たとえば皮革関係のお仕事ならば、世界のどの地方で育てられた牛の皮革が自分の作ろうとしている製品に合うのか、飼葉はどのようにしているのか、その屠殺やなめし方法はどのような形を取っているのかなど、追求すべき事は山のようにあります。これは食品でも工業でも何でも、常に同じ事が言えているのではないでしょうか。
起源を辿らなければ、いつまで経っても二流のままです。
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