第84号:知らないと恐ろしい、無意識の行動がお店をダメにしている。
飲食店を4店舗経営されている方からの相談です。
4店舗のうち、業績の良いお店が2店舗、低下してきているお店が2店舗で、この業績が低下してきているお店の底上げをしたいのだが、どうすればよいかというものです。詳しく聞いてみると、週末にはお客様が来るが、平日の集客が弱いとのことでした。
このように、業績の悪い店舗や業績が落ち込む日の営業に悩む経営者の方は多いのではないかと思います。しかし、このときに大切なのは、弱点ばかりが気になってしまうという無意識の習慣が、会社の成長発展を止めていることに気づくことです。
多店舗経営においては、自社の会社をよく見て、良いところをしっかり伸ばすという活動がポイントです。業績の悪いお店や集客の悪い営業日に気をとられて、良いお店や部分に目を向けず、良いところまでが共倒れ的に崩れていくことが最も恐ろしいことなのです。
経営者、または経営幹部が売上の低いお店や低い日の営業品質を気にするあまり、忙しいお店や忙しい日の営業品質が崩れていってしまうことはよく見受けられます。
お店の業績の安定成長は、リピート客を育てることで図ることができるからです。リピート客を増やしていくためには、お客様が多く来店されている、お店の忙しいときの営業品質を向上させる必要があるのです。リピート客を育成していくためには、常に商品やサービスの品質の向上をしていく仕組みづくりが欠かせません。
飲食店の競合は飲食店だけではありません。コンビニエンスや宅配ビジネスなど様々な業界が競合になってきます。例えばコンビニの商品の品質がここ10年でどれだけ向上しているのかを考えてみてください。業績を伸ばしている企業は、自社の商品サービスの品質の向上を常に行っています。今は、消費者にとって、企業が品質向上努力をしていることは当たり前になってきているのです。ですから、相変わらず同じ品質で営業している店は、お客様からみれば、品質が低下しているようにさえ見えてしまう時代なのです。
業績が良いからと安心していると、あっという間にお客様は離れていってしまいます。悪いお店を放置しておくわけにはいきませんが、その店ばかりに関わりすぎて業績の良いお店の品質向上を怠ると、それがグループ全体の致命傷にもなりかねません。
あなたは経営者として、良いところを常に伸ばそうとしていますか。それとも悪いところが気になり、弱点の改善ばかり気にしていませんか。
普段、無意識に行っている自分の行動を、もう一度見直してみてはいかがでしょうか。
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