上手な事業承継の方法
60歳を過ぎた経営者からの相談で最も多い相談は、事業承継の仕方についてです。
どうしたら事業承継がうまく出来るか。重要な相談です。
今から40年位前の日本は、経営者の子どもが後継者になる割合が7割でした。現時点では4割に減少しました。経営者の子どもが事業承継をするケースが減ってきました。
経営者の子どもが事業承継する場合も、また社員の中から事業承継する社員を任命する場合についても、1つ確認をしなければならないことがあります。
それは、組織の中には3つの成長階層があることです。全ての社員はその成長の階層を1つ1つ昇っていきます。一般職層を卒業して、次は中堅職層。やがて中堅職層を卒業して、最後は管理職層。
この3つの階層をステップアップすることが社員の成長であるとすれば、事業承継する社員はこの階段を上って行かなければなりません。これは絶対の条件と言えるでしょう。
現場のことが分からない中堅職では部下を指導することはできません。また、人を育てることが出来ない管理職では、中堅職を育てることが出来ません。
このステップアップには、常識的に考えれば20年以上かけることになるでしょう。
この管理職層にステップアップした社員の中から、経営者が事業承継するときに、「この管理職層で最も成長点数の高い社員を後継者として任命する」このように社内に公言していれば、事業承継は全く波風立たずに行なうことが出来ます。
事業承継で一番問題なのは、どうしてこの人が後継者になったのかその選択基準です。次の経営者となるためには、様々な要件が必要であることは間違いありません。
しかし、社員にとってみれば誰しもが見ている管理職層の成長シートで点数が高いことを条件に任命したとすれば、誰もが納得せざるを得ません。
この納得がとても重要なのです。
ここを曖昧にするから、納得できないと思った幹部が事業承継のときにその会社を辞めることになったりします。
これは大いなる損失と言わざるを得ません。
自分よりも優秀な人が後継者になったとすれば、全社員が納得したままその人事を受け入れることが出来ます。
これは社員の昇進人事と全く同じです。
大事なことはその選考の条件を全ての社員が納得する形でオープンにすることが出来るかその1点になります。
ますます舵取りが難しくなるこの激動の時代に生き残りをかけるためには、今在職する社員が誰も辞めずに、一丸となって事業に取り組めることが重要になったとお考えいただく必要性があるでしょう。
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