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世の中の変化と日本の製造業が抱えている問題点[2]

SPECIAL

現場改善コンサルタント

柿内幸夫技術士事務所

所長 

メーカー企業の現場改善指導と、「儲かる新たなモノづくり」体制を指導する辣腕コンサルタント。全社員が一丸となって改善する「KZ法」を体系化。ライバル企業に対して圧倒的な差を生み出していく体質改善指導に、全国から指導依頼が集まる。

毎日寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私はうがいと手洗いを頻繁にすることで風邪対策をしています。では先回の「一体何が起きたのだろうか?」からの続きです。

一体何が起きたのだろうか?

日本は国力の向上に伴い賃金の上昇が始まり、賃金の安い外国人労働者を使うことや海外で一部の部品を生産することは以前から行っていた。しかしバブル崩壊で極端に売り上げが低下し、利益を維持するため大幅なコストダウンが必要となり、家電業界を中心に多くの企業の生産拠点の中国等海外移設に拍車がかかった。その結果、国内での仕事が減りかつ技術の流出も起き、更には海外の需要に応える仕事が海外に移った。

また家電製品ではグローバル化に際して現地ニーズに対する適応力の不足のため商品力が低下した。加えて薄型テレビのようなデジタル家電においてはモジュラー型生産におけるグローバルな部品調達への対応遅れによるコスト競争力低下もあり更なる競争力の低下が起きた。

自動車業界においても近年のJDパワー米国自動車初期品質調査の結果を見ると、品質に対する評価が機能品質中心からデザイン品質も対象となって来ていて、日本車は以前のようなダントツの品質評価を得られておらず、むしろ韓国や欧米の車に抜かれる時もあり、安泰な状況とはいえなくなってきている。

さらには、少子高齢化によって労働人口の急激な減少が起きており、現場労働力は質・量ともに不足傾向に突入し、技能伝承の問題も深刻さを増すことになる。例えば生産の現場には日本語を理解しない外国人や、日本人であっても経験が少ない派遣社員が多い。定年退職による世代交代もある。そのなかで、技能伝承だけでなく現場力を高めてきた改善活動もやめているといった会社も多く見かけることになる。特に、中小のものづくり企業の経営者がこの状況を深刻に受けて止めて、これからの経営のあるべき姿や体質改善の進め方に悩みを抱き、模索する時代になってきている。

Question 何が起きたかについて私の考えを書きましたが、実際にはもっとたくさんのことが起きています。ご存知のことを教えて頂けませんか?

 

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