第82号:人材不足の時代に定着率を上げる人材育成法とは
近年、どの職場でも人材不足が深刻な問題になってきております。人材不足のために止む無くお店を閉店しなければならならなくなったという話もよく耳にします。人手が集まらない状況では、欠員募集を目的にした人材募集をするよりも、今いるスタッフの定着率を上げることのほうが優先事項です。定着率の悪い現場では、人材を募集して新たなスタッフが入ってきたとしても、すぐにやめてしまうという悪循環が続くからです。
では定着率を上げるにはどうすればよいのか。定着率の良い職場をつくるためにするべきことは、仕事の働きがいをつくることです。働きがいを生むためには、会社の目的(ミッション)が明確でなければなりません。なぜならば、仕事の働きがいは、お客様や関係者の方たちからの高い信頼と尊敬を集めることで生まれるからです。
目的(ミッション)を明確にすることで、チーム全員で効率的に顧客の信頼や尊敬を向上させることが可能になります。日々、周りから自分たちの存在を必要とされ、そして評価されることで、さらに高いモチベーションにつながり、成果も上がり続けるのです。
よく経営者の方が勘違いされるのは、業績を上げさえすれば待遇が良くできる、それが働く人たちの働きがいになると思い込んでしまうことです。業績が良くなって待遇がよくなることが働きがいにつながるのは、一部の幹部社員の人たちだけです。そうした幹部の人たちの思いに振り回され、現場の人たちが疲弊し、さらに定着率が低下するといったことはよく起こっています。
成果を上げ続けていくために重要なのは、末端社員の人たちのモチベーションアップです。経営者が思うほど、末端社員は業績アップに関心はありません。それよりも、毎日毎日現場で働く中でお客様から喜ばれているという実感があるということが大切なのです。
業績がいくら良くなっても、無理矢理に販売促進をし、人手は不足、お客様からのクレームは数えきれず、社内の人間関係はギスギスしているというのでは、会社での居心地は悪くなるばかりです。人材の定着率は低下していくのです。
仕事の目的は、売上を上げて少しでも高い給料もらうということだけではないのです。日々、お客様を喜ばせ続けるために自分たちがどんな努力をするべきなのか、どのように成長しなければならないのかを考え、実行し、仕事を通じていかに自分が成長できるかが肝心なのです。
仕事を通じて自己成長することで自分に自信が持て、将来に希望が持てるようになるのです。そのためには社員さんに「仕事をする目的とは何か」、そして「自分にとっての本当の幸せとは何か」に向き合わせるという教育が重要です。
収益向上のためにいきなり即戦力にしようなどと慌てず、まず仕事に対する価値観や考え方をしっかり教育することが人材の定着率向上につながります。
人材不足に悩む経営者の皆様、一度、自社の教育体制を見直してみてはいかがでしょうか。
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