「チェーン経営の業務改革に必要なこととは?」
「先生、業務改革するべき項目はたくさんでてきましたが、果たしてこれできるものでしょうか?」
とあるチェーンの幹部の方からのご相談です。
―――社内のことは必ず出来ます。お取引先が絡んでくるとこは少し時間がかかりますが出来ます。
とキッパリ申し上げました。
聞くところによりますと、今まで、何度も話題に出ては、先送りとなっていた案件が、ズラリ勢ぞろいした。とのこと。
「伊藤はなぜ、こんな誰も好まない複雑なことをニコニコと言えるのか」ということを尋ねられたりもしますが、前職から10年以上こうした、仕事に関わらせていただいている中で、経営者が頑張った結果、儲かりはじめ、その笑顔を拝見するのが、とても好きだからと言えます。
その改善額は1店舗数千万円、全店となれば数億もの資金が社内調達できる、それを再投資すれば、何百倍にもなると考えただけでも、ワクワクしてくるのは、自分自身もそれを考える経営者だからといえます。
それは さておき、業務改革プロジェクトは、社内承認されてたものですから、社長がストップをかけない限り、成功するまでやりつづけることができる。社長の夢を実現させるチームとなります。
伊藤はその中で、何を基準に考えるかといいますと、店舗を改革する場合の近道は、お客様の声を武器にし、各売場の不具合を直していきます。
一方で、本部を改革するには、顧客に一番近い店舗パートナーさんの意見を拾い、それを研いて研ぎ澄ましお金に変換する方法をまじめに考えます。
唯一注意をしていることは、これを時間をかけずにやることです。
なんでもそうですが、鉄は熱いうちに打てという言葉があるように、熱意が盛り上がっているうちに実行するほうがいろいろな形に変えられますし、その時期を逃さないうちに実行すると成功しやすいからです。
どの企業にも、「その問題は、何回も出てきて審議されたが、結局変わらなかった」という問題があります。
店舗でヒアリングを行っていきますと、例えば、「物流商品を店ごと棚ごとに、仕分けして納品をしてほしい」とか「チラシの訴求本数を減らしてほしい」とか
「価格変更作業の回数を減らしてほしい」「使わないPOPやプライスカードの削減」「送り込み商品の削減」といった、セントラルコントロールしたい、本部側の効率とは相反する、難題があぶり出されてくるのを目前に、運営部長が、後ずさりしたくなる気持ちも、分からないでもありません。
業務改革は、こういったところから、着手していくことになるのですが、ここで大切なのが、その改善業務を進めるためのストーリー作りということです。
そこでは、共通指標である「人時売上」を使い、改善総額を金額でしめすことが、最初にやることとなります。
そのためには、入念な実態調査はもとより、作業指示書を使ったムリムダの少ないモデルとなる店舗を、まずは頑張って作ります。
そこからさらに高い人時売上を実現させる店舗をつくることに挑戦するですが、店ではどうしてもできないことがあるので、「本部の仕組み改善」を起案し、経営会議にかけ承認を得ます。
あとは業務改革チームが、その案件の進捗を各部門を飛び回って確認をし、それを毎月の経営会議で報告をしていくのです。
ここでの社長は経営会議の場で「承認」をしつづける。ただこれだけです。
儲かる企業になるためには、ちょっとばかり売れてる他社を追従するのではなく、上記のように、自社内に儲けを出す組織をつくることが、他を引き離す大きな強みとなります。
新店や改装計画と同じように、起案をし「本質的な部分から変わるための業務改革」を提案し、公の場で承認を得ることがもっとも大事なのです。
このストーリーをつくることが、部分最適で、バラバラに動くことを抑止し、全体利益を増やす、社内の協業風土づくりに大きく寄与することとなるからです。
さあ、次に業務改革で成功するのはあなたの番です。
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