何を強みにすべきか?
「我が社の強みは、0.×××レベルの加工精度です」
先日、ある製造業の経営者の方に、「御社の強みは何ですか?」と聞いたときに返ってきた答えです。
少し心配になったので、更に突っ込んで聞いてみました。
「その加工精度は、なぜ出せるのですか?」
返ってきた答えは、「この最新鋭の設備があるからです」でした。
不安が的中しました・・・
「ということは、競合他社がその設備を導入したら、強みは無くなるのですか?」との問いには、「簡単に導入できない高額な設備なので、しばらくは大丈夫です。」との答え。
きっと、この会社の加工精度が強みになって売れ始めると、競合は、その設備が儲かると判断して直ぐに導入するでしょう。逆に、思ったより売れなければ、導入しないで固定資産の増加を回避するでしょう。
いずれにしても、この設備は、この会社にとって競合を退けるほどの強みにはならないはずです。
ものすごく当たり前のことですが、「競合が直ぐに手に入れられるもの」は、強みにはなりません。真の強みになるのは、「簡単には手に入らないもの」「手に入れるためには、長い長い年月が必要なもの」です。ところが、このことを忘れている企業がたくさんあります。
こうお伝えすると、「設備を導入すればできる、という単純なものでは無い。設備を使いこなし、この精度を出すには、高いノウハウが必要なんだ。」と反論されました。
しかし、単なる使いこなしでは、競合もそれほど時間がかからずに同じことができるようになるでしょう。そもそも、設備固有のノウハウは、その設備メーカーの強みになるものです。使用ノウハウが重要となれば、設備メーカーは何としてもそれを手に入れるでしょう。
すると、冒頭の経営者は、更に、「いや、うちには、その高いノウハウを生み出す人財がいる。また、その人財を育てる仕組みがある。」と反論されました。
私は、「ようやく、強みに近づきましたね。それが聞きたかったんです。」と応えました。
同時に次のことを付け加えました。
「もっと人財に自信を持ってください。決して、最新鋭の設備に頼ることなく、高いノウハウを生み出す人財の育成と仕組み作りにもっと力を入れて下さいね。」
この経営者の方は、「はっ」と気づかれたような表情をされました。
ひとまず、ここまでは気づいてもらえたようです。
現代は、高いノウハウを生み出す職人的な人財や、その職人を育てる仕組みだけでは、十分な強みとなりえない時代に突入しているのですが、長くなったので、この話は、また別の機会にしたいと思います。
あなたは、自社の強みをきちんと掘り下げて考え、戦略を持って育てていますか?
今、強みと思っていることを、もう一段、掘り下げて考えると、見えてくるものがあるかもしれません。
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