稼ぐ店舗は問題解決をこう捉える
前回のコラムでは、目的と目標の本質をお伝えしました。
今回は、目的と目標が光であれば、その陰の存在とも言うべき、問題と課題についてお伝えしていきたいと思います。
皆さんは問題と課題というとどういうイメージをお持ちでしょうか。どんな会社や店舗にも必ず問題は起こり、課題は与えられます。
しかし、その意味を聞くと、皆それぞれの解釈をしており、そのままだとおそらく問題を解決したり課題を克服したりといった成果が残せないのではないかと思われます。
言葉遊びをするつもりはありませんが、やはり言葉の適切な意味を理解して使わないとコミュニケーションごとにずれが生じ、そのずれが次第に大きくなって業績にも悪影響を及ぼします。
まず「問題」とは何か。よく言われるのは現状とあるべき姿とのギャップです。これはその通りですが、もう少し詳しくみていきます。
あるべき姿とは、過去に掲げた目的が現在表れているものです。つまり「問題」は過去に掲げた目的と現状のギャップです。
「問題」は過去にやってこなかったこと、すなわち業務的負債が積み重なってできた巨大な塊なのです。
そして「課題」は「問題」という塊のなかの負債の一つ一つのことであり、やるべき具体的な事柄のことです。
「問題」も「課題」も過去から発生します。そしてこれは重要なことですが、目的も目標もなければ、双方とも発生しないのです。
過去に目指していた目的や目標が姿を変えたもの。それこそが「問題」であり「課題」なのです。
ですから、「問題」や「課題」がある会社は過去に立てた目的と目標があるはずです。ここで気を付けなければならないのは、現状に合わせた目的や目標を再構築せず、今の「問題」、「課題」の解決、克服が目的になってしまうことです。
うまく問題を解決し、課題を克服したとしてもすでに過去のものであり、よくて現状維持、方向を見失えば斜め後ろに飛んでしまい、より状況は悪くなる恐れがあります。
すべては目的から始まります。
企業の目的は自社の問題を解決することではなく、社会、企業、個人など自社以外の問題を解決することです。
自社の問題を解決しても直接的に利益を生みません。良くてゼロ地点でしょう。
他者の問題を解決できれば、価値を生み、利益へとつながります。
ですから、企業は常に将来を見据えた目的、目標がベースで活動し、自社の問題解決も同時におこなう力が必要なのです。
企業がその価値を上げていくには、先述したように他者の問題解決をすることです。
ただ顕在的な問題はだれにでもわかりやすく、その解決方法も多様です。一方で潜在的な問題は顧客自身にも見えておらず、そこを掘り起こし、解決に導く店舗、企業だけが今後支持されます。
自分がやりたいコトは大事ですが、それが誰の問題を解決するのか、という視点がないと企業活動を継続するのはまず不可能でしょう。
社会や企業、個人の「問題」、「課題」をしっかりととらえ、その解決、克服を自社の目的にし、自社の「問題」「課題」は他者の資源を使うことで解決、克服することもできます。
そうやって良い循環を作ることが企業の使命であると私は考えます。
自身の目的は他者の問題解決であり、他者の目的は自身の問題解決なのです。
これは成功するすべての人、組織に当てはまる考え方と言っても過言ではありません。
皆さんの会社の目的はどうなっていますか?
自身の欲求ばかりが目立っていませんか?
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