2代目社長にとって「財務」が運命の分かれ道になる理由
当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関ですので、多くの2代目社長や3代目社長などの後継社長さんが社長就任前からお見えになられます。コンサルティング期間中に社長就任というケースも大変多く、当社としても、貴重な人生の節目の時期を一緒に過ごさせていただく重責と喜びを日々感じています。
2代目社長や3代目社長などの後継社長の場合は、最初からたくさんの資産や負債、取引先や金融機関、従業員とその家族を背負っての船出になりますから、まさに、「目隠し運転で、高速道路を走るような」状態でのスタートを余儀なくされてしまいます。
だからこそ、「財務」を知っているか、「財務」を知らないかが運命の分かれ道になるのです。
財務を知らない社長は、「売上を増やせば潰れない会社になるはずだ」と考えます。無理な売上拡大のために、安易な値引きを繰り返したり、過剰な投資をしたり、モノを所有することにこだわる傾向にあります。さらには、将来の「お金」「利益」「売上」に貢献しないような固定費を増やすような経営判断を無意識のうちに行ってしまいます。
さらに、財務を知らない社長は、「お金が無くなったら、銀行から借りればよい・・・」「利益が出たら、節税のために保険や車を買おう・・・」「会社のお金のことは、経理や税理士が見ているから大丈夫・・・」と考えます。
しかし、これらは、いつまでたっても会社にお金が残らない会社や経営が苦しい会社の社長に共通する考えの代表例なのです。そして、社長本人には、自らの経営判断が自社を苦境に追い込んでいるという自覚がないのも特徴の一つです。
その一方で、「財務を知っている社長」は、「財務こそ事業永続のためのキーポイント」と考えます。すべての経営判断において、「財務」の視点からの経営判断のモノサシを持っていますから、寸分の狂いも生じません。5年後、10年後の未来から逆算して、まさに勝つべくして勝つための経営判断を、着実に積み重ねていきます。
事業永続のキーポイントとなる「お金」を将来に向かって増やし続けるための仕組みづくりに余念がありません。当然、「場当たり的な資金調達」や「間違った節税対策」で自社の財務を棄損するような悪手を打つようなこともありません。
そもそも、「気が付いたら強い財務になっていた」「なぜか財務がボロボロになっていた」ということ自体ありえないのです。あくまでも、財務は社長が意図して磨き上げていくものであり、それ以上でもそれ以下でもないのです。最も重要なことは、社長自身が「財務」を社長業の実務として知っていたか、知らなかったか、ただそれだけなのです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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