個店力が強い会社と、弱い会社の違い
先日 個別ご相談にお見えになった経営者の方からこんな質問をうけました。
「改装して、ここ1~2年間売上が伸びて成功してます 今度やる店に、空きスペースがあるんですけどどうしたらよいでしょうか?」
何をもって「成功?」と言われているのかわかりませんが、「貴社の営業力が弱いから空きスペースができる。もし成功しているならテナントを募集すればいくらでも集まりますよね」とキッパリと申し上げています。
「いやあ~ 奥のフロアなもので それも難しくってなかなか決まらない」。それを決めるのが社長の仕事なのに、どうやら社長は担当の事業部長に一任されているとのこと「個店力が弱い会社の典型的な事例ですと」はっきり申し上げています。
そんな会社に限って、営業を聖域にして運営方法を一度も見直したことがないのも共通の特徴です。
もし、アパートを経営されていて、それが半分しか埋まらなかったらどうしますか?そのために、内装や水周りをリフォームをして、大家さんは必死に入居者募集をするわけです。
製造業だって、ある日突然主要取引先から「来月から納品しなくて結構です」と言われたら大変ですから製品の品質性能や供給には徹底的にこだわり、切られない様に営業活動するのです。
では、小売業は?何を良くしてお客様にご満足いただくのでしょうか?
改装して、空きスペースを作って人件費節約して店全体の集客力が弱くする?日頃からお客様の声を聴く仕組みがあればそうはならないはずです。
小売業に限らず常にアンテナを張り巡らせ お客様の声にはどんなことを言われても全て実現させてみようという徹底した「石の上の経営」考えがなければいずれお客様離れていきます。
買いまわりをよくするためにフロア統合する? 不動向の商品をカットする? 上層フロアを閉鎖する? 人時生産性を上げる? どれもお客様にとってはマイナスになることばかりを平気でやってる。改装ではなく害装です。
しかも、モノは投資すればメンテナンス経費が必要となります。しかし人の手を介す運営に投資すれば、経験が積み重なることによって売上をひきあげられるようになるわけです。外側だけをよくするといった、大手モドキのモノマネをしたところで運営手法が変わらなければ、売上を上げ続けることはできません。
小売業は 不動産や製造業のようにいきなり売上半減とかいう数値がでることはないのが災いして、高度成長期以後、何を磨くべきかを毎年明文化してない企業が多いのです。
経営ではなく、効率化という勝手な指標で、商品を仕入れて並べて売ってるだけの倉庫状態を作り出し。この倉庫を数年に一回大金を叩いて改装しているだけなのです。
30年間このスタイルでやっている 変革の遅い会社は来店客からは不満こそでないが、黙ってお客さんは来なくなるだけす。そして赤字転落するのです。
大事なことは、建物や什器に幾らお金をかけても、それを担う運営手順が改善されないと回収も出来ない状態になるということです。小売業は製造業と違い、労働分配率が極めて高いので機械化できる部分は少ないわけです。
くりかえしになりますが、人の手がかかるところで 売上が上がるポイントがある。ここに投資をしないで売上など上がるわけがないのです。これからは、この技術を手に入れた個店力の強い会社だけが生き残るのです。
個店力が強い会社とは、売れていくストーリーづくりと顧客対応に時間をかけていきますから、確実に売る力を引き上げていくことになっていくわけです。
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