成功する動機づけの第一歩
人財育成において、お互いの信頼関係を構築した後は、動機づけを行います。
信頼関係の構築と動機づけは同時並行的に進んでいくことの方が多く、はっきりとこれが終わったからこれ、ということにはなりません。
また、動機づけをするといっても、何か特別なことをしてスタッフのやる気に火をつけるということでもなく、そのきっかけや環境づくりを自然な形で行うことが主要な内容となります。
そもそもの話、他人に対して動機づけを行い、取ってほしい行動へ導くというのも、なんだか胡散臭いことのように思えます。
人間はそんなに機械的ではなく、個人個人で価値観も違いますので、そう簡単に外部からの働きかけで行動はコントロールできないでしょう。
とはいっても、ほったらかしにして勝手に育つこともなく、ここで動機づけを含めた人財育成の仕組みが必要になってくるのです。
動機づけを難しく考える必要はまったくなく、当たり前のことを徹底して地道にやっていくことが基本となります。
何を地道にやっていくのか。
それはまず相手を“認める”ということです。
“認める”とは何か。
その仕事ぶりや勤務態度などを評価し、人事考課的に認めることも大事ですが、それよりもその人自身の存在を認めることが肝要です。
どういうことかというと、具体的には相手と目を合わせて挨拶する、話す、そして小さな変化を気に掛けるということです。
さらにその頻度が高ければなおよいでしょう。
ここから動機づけをする基盤を作っていくのです。
いきなりニンジンをぶら下げるようなやり方は動機づけとは言えませんし、効果もほとんどありません。
入社したばかりの新人は特に右も左もわからず、覚えなければならない仕事も多く抱えています。
わからないことがわからないような、不安が大きい状況の中、会社の一員としてまずは認めてもらえることで不安は和らぎ、多少の余裕も生まれてきます。
安心して働ける環境であることをそのスタッフとのコミュニケーションで示していくのです。
新人でなくとも、自分の居場所があるということは、その人自身に絶対的な安心感を生み出します。
その安心感の基盤のもとでようやく行動につながる動機づけが自分の内部からわき上がり、また会社や上司、同僚や部下など外部からの働きかけも動機づけとして機能するのです。
人のやる気を自由にコントロールできるような仕組みをつくりあげるのはまず不可能ですので、そうではなく、多様な価値観を活かせる環境づくりを率先して行いましょう。
その一歩が“相手を認める”ということなのです。
挨拶をしても返してくれないような、目を見て話してくれないような、誰も変化に気付いてくれないような、そんな店舗からやる気のあるスタッフはまず生まれません。
それどころか店舗を継続していくことも困難になるでしょう。
皆さんの会社ではしっかりとスタッフを認めていますか?
人財育成の一環として“認める”ことを仕組み化していますか?
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