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商品リニューアルにおける未来予測の具体策

SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

株式会社りぼんコンサルティング

代表取締役 

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

2017年もあとわずか、様々なメディアで「来年はどんな年になるか」という未来予測が取り上げられています。経営戦略においては、例えば創業30年であれば、その倍である次の30年を見据え、そこからの逆算ですので大局観でどっしりと構えてゆくことです。

そうは言ってもITがどんどん進化している今、焦らないわけがありません。生活者として街を歩けば、なじみのスーパーマーケットのレジが無人化されていたり、家では家族が部屋にこもってスマートフォンで買い物し、子供たちは仲間たちとウーバーイーツでお家パーティー。日々の暮らしが昨日と今日とではガラッと変化し「なんだか世の中が大変なことになっているようで・・・」と感じずにはいられません。漠然とした不安が生まれ、未来予測の書籍や雑誌が売れて、受け皿として「来年の打ち手に〇〇計画をたてましょう」というセミナー研修が活況です。

こうした「〇〇計画の立て方、作り方」の勉強は、実務担当者レベルの方達が業務予定を整理整頓したり、目標を見える化したり。経営者であれば銀行対策、資金繰りのためのツールづくりの勉強かもしれません。大切なことは「〇〇計画」を作る根本的な意味をご自身に問うことです。世の中には「〇〇計画を立てれば売上があがる」というニュアンスのものがたくさんありますが、一度立ち止まってこうした「常識を疑う」ことが大切です。

例えば、マーケティングにおける「ニーズ」についての考え方はどうでしょうか。

年末になると主婦雑誌や情報番組で必ず取り上げられる「大掃除」の企画。ある番組では、整理収納アドバイザーが登場し「断捨離」のコツを伝授していました。たまたまテレビをみていた子がこう呟きました。「どこのウチも、要らないものばっかりなんだね」と。このワンフレーズがやけにひっかかりました。

 どこのウチも要らないものばっかり

今の時代に生きる多くの生活者にとって、モノの多くは「要らないモノ」であるのかもしれない。実感としていかがでしょうか。わたくしたち生活者にとって、どうしても「必要」で「なくちゃ困る」というモノがあるだろうか。むしろ差し迫っている状況ではなくて、製品AでもBでもまたはCでも良い、実は二、三日無くったって困らない・・・。そんな風にモノに囲まれ満たされて暮らしているのではないか。このような現実の中で「ニーズ」からの発想が消費者に響くのだろうか。同じように「便益、ベネフィット」を提供する、という常識も点検する必要があります。商品サービスに対して「うれしい」を本当に期待している?私たちが頭の中で想像できる程度の「うれしい」はすでに満たしているのではないのか?

「えっ、本当? 違うんじゃないのか?」という視点から「本質はこれかもしれない」という着眼が生まれてくるはずです。最近メディアで紹介された例ですが「料理を一切教えない料理教室」をご存知でしょうか? この料理教室にはキッチンがありません。何を教えるかというと「盛りつけ」で、キャッチフレーズは「盛りつけだけに特化した料理教室」です。お客様は女性で主婦層が多く、

料理の見映えが良くなりSNS映えする!

「盛りつけ効果」でいつもの料理が美味しくなる!

と好感触です。もしも「料理教室」を市場調査や過去の事例をもとに考えていたらどうでしょうか。自社商品の強みや弱み、世の中のニーズ、ウォンツ、ベネフィット・・・、過去の成功事例・・・。すでに「料理教室」または「料理」という前提ありきでフレームを描くはずです。

しかし、実際に支持されている「盛りつけだけの料理教室」はキッチンさえもありません。作って食べるという「料理」、作り方を教える「料理教室」の常識を否定しているわけです。

わたくしの商品リニューアルコンサルティングでは、考え方の本質はどこにあるかという一点を探り当てることから始まり、実務の中で体得していく包括的な戦略策定、そして組織での定着を目指してゆきます。例えて言うなら、上野動物園のパンダ飼育員が、本場中国のパンダ園に秘伝を学びに行ったことと同じです。上野動物園ではかつて赤ちゃんパンダが突然死してしまったそうです。机上の勉強ではとても赤ちゃんパンダを飼育できないと切に感じ、スタッフを中国のパンダ園へ派遣、手取り足取り飼育のコツを伝授してもらったそうです。体重の測り方ひとつとってもコツがあると元園長がインタビューで答えていました。

未来予測をはじめ、経営者にとってたくさんの情報が用意されている時代です。新聞雑誌、ネット情報、成功者の本・・・こうしたものは、一時的にテンションを高めるものでしょう。ですが、上野動物園が耳学を捨て実際に現地でコツを学んだように「秘伝」というものは本来はお金に換えることのできない重みのある価値です。

ゆえに、タダ同然で入手した未来予測はその程度のものと心得て、様々なコンテンツは参考程度にとどめておけばよいでしょう。そこに心と時間をかけてゆくのはもったいないことです。本質的なことに目を向けてゆきましょう

御社の商品サービスを必要としている人はいるのか、いないのか。そもそも商品サービスとは何か。誰も自社商品を必要としていない、とすればどうしたら良いのか。この残酷で厳しい現実に向き合い、打ち破らない限り、いつまでたっても延長線上の発展しかありません。大きくジャンプするためには、書を捨て、従来ノウハウ、常識を打ち破り、現場へ一歩踏み出す時です。 求められているのは、その一歩の勇気です。

 

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