闇雲営業からの脱却
「商品を売り込む!という視点ではなく、商品コンセプトを伝える!という視点をもう一度熟考してみたいと思います。」
前回の弊社主催のセミナーにご参加頂いた方のアンケートに書かれていたコメントです。
弊社では、最小の力で最大の売上をあげるアプローチの一つとして波及営業をご推奨していますが、これは表面的な販売テクニックではなく、モノやサービスが市場に評価・浸透させていくための「クリエイティブな営業手順」だと自負しています。
なので、このようなアンケートは、とても嬉しい受け取り方です。
実際、“いま”は売れていない商品をどうやって売っていこうか?と考えるときに、最初に考えるのは、この商品は「誰にどう評価をされていくのか?」という問いを投げ続けることで、打開策は必ず見つかります。
営業の出発点は、こうした商品のコンセプトを明確にし、見込客の集客効率、商談の成約効率を極限まで引き上げる策を打ち立てることが大切です。
- 誰に営業をかけていくのか?
- どうやって商品の魅力を伝えていくのか?
- 商談で背中を押す材料(購入後のメリットや利益)は何か?
この「引き出し」なくして、効率的に営業を仕掛けていくことは出来ません。
闇雲に営業をしたって、無駄な労力がかかるばかりです。
これは、経営側にとっても、マイナス。
無駄な人件費、交通費を垂れ流しにするだけですから。
フロントで戦う営業マンのモチベーションは下がるし、経営側も体力を消耗する。
「闇雲営業」は、良いことは一つもありません。
あえて言うなれば「傷つき打ちのめされることで根性がつく」くらいなものです。
なので、闇雲営業から脱却し、ターゲットを明確にし、どう見込客を発掘し、どう商談で口説いていくのか?
このクリエイティブな営業の下地づくりが大事になります。
つまり、商品を売る!という発想から、商品コンセプトを売る!という姿勢に、プロジェクトメンバー全員の意識改革が必要になる訳です。
私が商品コンセプトを売ることに重点を置く理由は、23歳の時に勤めさせてもらっていた「新商品開発専門のマーケティングコンサルティング会社」での貴重な学習と経験からです。
その後転職をし、IT企業の営業マンとして活動した際、システムを売るのではなく、コンセプトを売る!という姿勢を徹底して貫きました。
結果は、面白いように出すことが出来ました。
その後、独立をして「広告媒体」を作り、その媒体を販売した際も、コンセプトを売ることだけに集中しました。
結果は、起業1年目から創業メンバーと海外旅行に行けるほどの利益を出すことができました。
商品ではなく、コンセプトを売る。
この発想の中心軸にあるのは、「お客様の目線に立ってセールス活動を最適化」する訳ですから、言ってしまえば売れないはずがないのです。
売れないとすれば、お客様の目線と売り手の目線にギャップがあるだけ。
この目線の修正をしていけば、必ずや売れる“切り口”が見つかるはずです。
では、具体的にはどうやるのか?
私がコンサルティングで思考する手法または、プロジェクトメンバーと一緒に考えるやり方をチラッとお伝えしましょう。
売れない…と悩んでいる商品のホームページやチラシ、提案書などのセールスツールを拝見すると「売れない商品(売れにくい商品)」には共通点があることに気づかされます。
その共通点とは、商品の「特徴」や「機能」がこれでもか!書かれているだけの「どうだ!商品」にしか見えないケースです。
商品のライフサイクルによっても、販売の切り口は変わってくるのですが、一般的には「どうだ!」「どうだ!」と見込客に訴えれば訴えるほど、反感を買い兼ねません。
これに反応する顧客は、従順な顧客であって、波及の起点となるような顧客ではないのです。
説得されて購入したお客様は、期待値以下の商品だとすぐにクレーマーへと変身します。
波及の起点となるような「良質な顧客」と取引をするには、顧客とパートナー関係になるような“接点”を見出すことが大事なのです。
それが、切り口であり、切り口を表現する“言葉”になります。
その切り口と言葉を生み出すには、自社商品ならではの「特徴」や「機能」を「顧客メリット」や「顧客利益」に変換することが大事です。
これは、商品であろうと、サービスであろうと一緒です。
例えば、弊社のコンサルティング・プログラムである「波及営業戦略」を題材として、「特徴—顧客メリット変換」をしてみましょう。
機能・特徴 |
顧客メリットや利益 |
自社が有利に戦える市場に絞る |
|
インパクトユーザーを獲得する |
|
インパクトユーザーを武器に拡げる |
|
といった形になります。
この顧客メリットや利益を明確にすることで、初めて「自社が有利に戦える市場を見つける」材料が手に入る訳です。
つまり、闇雲営業をやめ、商品コンセプトを売る営業スタイルに改革すれば、販売効率と利益率の高い一石二鳥の営業ができることにつながります。
御社の営業マンは、商品を売っていますか?
それとも、コンセプトを売っていますか?
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