チェーン店でも、地域密着が不可欠
今まで、個人店から中堅チェーン店までコンサルティングをさせていただきました。しかし、FCに加盟されているオーナー様(フランチャイジー)からのご依頼は、FCに加盟さているかぎりは、お断りをしています。
FC本部(フランチャイザー)をコンサルした経験からすると、加盟店の個別指導はFC本部の経営指導と相反することもありますし、契約違反になってしまうこともあるからです。
そして、FC加盟店からご依頼を受けられない一番の理由は、売上と利益を決定づける商品と価格、販促に手をつけられないからです。
過去12年間のコンサルティング経験からすると、商品と価格、販促の3つを変更しないかぎり、売上・利益の大幅アップは望めません。
ユニクロの柳井会長は「均一のチェーンストアから、一店舗ずつ地域に根付く商売に変えないといけない」とおっしゃっているように、地域に根付く店作りは非常に大切です。
大手チェーンストアも、脱チェーンストアに動き出していますし、特に、食については地域性を大切する必要があります。
FC本部の中には、地域ごとにメニュー内容を変えているもところもありますが、それでもそれぞれの地域に細かく対応しているわけではありません。
ピザなどの外国から入ってきた食べ物は、歴史が浅いだけに、味についての地域性はありません。
もちろん、美味しい・不味いはありますし、地域としての独自性を盛り込んでいくことは大切です。
しかし、和食やご飯ものは、長い歴史があって、それぞれの地域で親しまれてきたものが多くあります。
クライアント様のアンケートを拝見しても、お褒めやクレームでごはんやシャリに関するご意見が最も多いですし、
しょうゆ1つとっても、関東はしょうゆですが、東海地方や九州では甘みの強いたまりを使うところもあります。
それだけ、長く食べ続けている味については、お客様の舌は敏感です。
また、価格に対しても東京では売れる価格でも、地方価格では全く売れないこともあり、価格の地域差も考えなければなりません。
情報や流通が一般化したことで、食についても随分と画一化されてきましたが、
それでも地域ごとの食文化が脈々と生きており、それをメニュー開発に活かしていくことが、地域のお客様から長く愛される秘訣です。
以前、FCを脱退して独立したオーナーから「今のままでは粗利が低すぎるし、売上も上げたい。ぜひ指導をして頂きたい」とコンサルティングのご依頼がありました。
地域性を考え、FCに加盟していた時代から商品を一新して、販売価格も上げ、割引も止めました。果たしてその結果は、FC加盟時よりも売上は163%と伸びました。
出前宅配は一定の商圏内での商売ですから、地域に密着して、多くの多くのお客様に、リピーターになっていただければ、売上と利益は上がり、安定します。
そのためには、地域に密着した商品づくりと価格設定は不可欠なのです。
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。